「運命の法則―「好運の女神」と付き合うための15章」天外 伺朗
2006/09/04公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(88点)
要約と感想レビュー
フロー状態の燃える集団
著者は、フィリップスとのCDの共同開発、さらにロボット「AIBO」の開発において、「フロー」状態といえるような燃える集団を経験したといいます。初期のソニーはどこの部署も燃える集団であり、それは当たり前のことでしたが、最近はそうした傾向が少なくなってきたことで、著者は逆に、「燃える集団」の効果に気づいたというのです。
そうした燃える集団を作る条件は何なのでしょうか?それは、チームの自律度であり、終身雇用という仕事に打ち込める環境であり、仕事が報酬であるという価値観であり、適切な目標の設定が必要なのです。
(チクセントミハイ)チームが燃えるにはどういうことが必要だと思う?・・・私は、「チームが自律的に、何でもデシジョン(決定)できることだ」と答えた。(p36)
フロー状態の燃える集団
社員が自ら熱心に仕事を進める燃える職場こそが、幸運を引き寄せ、驚くような成果を達成するというのが、著者の伝える「運命の法則」です。
ただし、燃える職場つまり、命を掛けるほど魅力的な職場の状態に入るためのポイントは、技量と、挑戦すべき壁のバランスにあるという。課題が易しすぎると、退屈になるし、難しすぎると不安になってフロー状態に入れないというのです。
燃える集団ソニーを経験した著者の教える「成功のコツ」には不思議な説得力がありました。★4つとしました。
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この本で私が共感した名言
・もっとも真剣に準備した人のところに強運が訪れる。(p161)
・直感的かつ簡潔に表現したのが、「運命に貸しを作る」という言葉だ・・・ついていないときに、落ち込まなくてすむし、ついているときに、有頂天になって思い上がることを防いでくれるからだ。(p105)
・自分の直感を信じて、自分の責任でズバッと評価しろ、ということだ・・・「不純な、よこしまな動機で、評価に歪みが入ると、結局はめぐりめぐって、自分のところに返ってくるよ」(p91)
【私の評価】★★★★☆(88点)
目次
共時性の法則
「燃える集団」の法則
フローの法則
満足感の法則
長老型リーダーシップの法則
セーフベースの法則
意識の成長・進化の法則
プロセスの法則
トータルつき量一定の法則
運・不運の法則
うぬぼれの法則
大河の流れの法則
強運の法則
内発的動機の法則
他力の法則
著者経歴
天外 伺朗(てんげ しろう)・・・本名、土井利忠。1942年、兵庫県生まれ。元ソニー上席常務。工学博士。1964年、東京工業大学電子工学科卒。ソニーに42年間勤務。その間、CD、ワークステーションNEWS、犬型ロボットAIBOなどの開発を主導した。現在は病院に代わる「ホロトロピック・センター」の設立推進などの医療改革や、企業経営者のための「天外塾」なども開いて経営改革に取り組むほか、教育改革へも手を拡げている。
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