「全一冊 小説 上杉鷹山」童門 冬二

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全一冊 小説 上杉鷹山 (集英社文庫)

(評価:★★★★☆読むべし)89点


●私は、十数年の会社勤めのあいだ、
 数多くの尊敬できる人に会ってきました。


 ですから、たくさんの優秀な人を知っているのですが、
 皆それぞれ持ち味が違います。


 けれども、尊敬され抜擢されている人には、
 何か共通したものがあるように思います。


 それらの人は、ある種の
 スタイルをもっていたような気がするのです。


●たとえば、わたしが一番苦労した職場の上司は、
 大部分の仕事は部下に任せながらも、
 大きな仕事もリードして完遂した人でしたが、
 「わたしは、職場を異動するたびに、
  そこでなにかを残そうと考えて仕事をしてきた
 と言っていました。


 そういう姿を見て、
 私もそれと同じ考え方でやってみようと思うようになり、
 実際にやってきたのですが、
 そういう仕事のスタイルと行動こそが、
 周囲の人の心を動かすのでしょう。


●この本で私が共感したところは次のとおりです。


・灯火は、藩主としての私が掲げなければならない。


・おまえたちも、自分の信頼する者を多く集めよ
 政治はすべて人である。それも沢山いればいるほどよい。


・おまえたちこそ、この火種ではないかと思ったのだ。
 おまえたちは火種になる。
 そして、多くの新しい炭に火をつける。


・大変だ。しかし、他人に何かやってもらうのには、
 まず、頼む人間が自分でやってみせなければ駄目だ
 してみせて、いってきかせて、させてみる、
 ということばがある。私もそれで行く


●この本は、破綻の危機にあった米沢藩を立て直した
 上杉鷹山の生涯を描いています。涙して読みました。


 なぜ、涙がでてくるのか?自分の気持ちを分析てみると、
 日本人として、このような人間を持った喜び、
 そして、いまの現状が上杉鷹山が藩主となったばかりの
 米沢藩にあまりにも酷似しているという悲しみ、
 その思いが混ざりあって涙が出てくるようでした。


●いま、この時代だからこそ、
 この本を読むべきなのでしょう。


全一冊 小説 上杉鷹山 (集英社文庫)
童門 冬二
集英社
売り上げランキング: 11520
おすすめ度の平均: 4.5
5 日本が世界に誇る名君のリストラクチュアリングの過程を易く紹介した作品
5 上杉鷹山の「愛」と「徳」。
5 読みやすさで★5
5 上司のかがみ、いや、人間のかがみ
5 清流政治の光と影

(評価:★★★★☆読むべし)89点




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