「父の威厳 数学者の意地」

父の威厳 数学者の意地 (新潮文庫)
【私の評価】★★★★☆(86点)


■数学者 藤原 正彦さんのエッセー集です。
 膨大なエッセーで読むのが大変でした。

 やはり面白いのは、父親の新田次郎と
 母親の藤原ていのエピソードでしょう。

  ・父は変わらず仕事に励んでいた。出世の方はままならず、
   いつまでたっても課長補佐で、新しい課長はいつも東大卒だった。
   そんな頃、私が東大に合格した。父は大喜びだった。
   「これで東大コンプレックスが半分なくなった。お前みたいなバカでも
   入れるんだからない。」(p48)


■また、アメリカやイギリス生活が長いので、
 国際関係の主張に鋭いものがあります。

 「国際化とは、自国の文化を学ぶことにある」と主張していますが、
 海外生活が長い著者の実感なのでしょう。


■いつもどおり少し毒を持ったジョークもたくさんあり、
 長く楽しめる一冊です。

 出張や旅のお供によろしいのではないでしょうか。
 本の評価としては、★4つとしました。
 
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・イギリスでは、古いものほど貴いのである。・・・
   レストランなどの店が、看板やドアにSINCE 1830などと書くのは、
   古いことを威張っているのである。これを真似て我が国でも最近、
   SINCE 1990 などというのを見かけるが、こっけいである。(p163)


  ・「本を読まないと偉くなれない」、と
   子供の頃から親や先生に叩き込まれた・・・
   父から「本代だけはケチるな」とも言われていた(p190)


  ・幕末から明治中期にかけて、主に下級武士出身の者がかなり海外に渡航したが、
   彼等の多くは現地の人々の賞賛を博したという。彼らは流暢な英語も、洗練された
   西洋マナーも、世界史や世界地理の知識も、さして持ち合わせていなかった。
   彼らが体得していたのは、古典や漢籍の教養そして武士道精神くらいだった(p217)


▼引用は、この本からです。

父の威厳 数学者の意地 (新潮文庫)
藤原 正彦
新潮社
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おすすめ度の平均: 4.0
5 ある意味すごい
5 面白さに星5つ
4 負けず嫌いだった父親
3 武士道
5 藤原節が炸裂

【私の評価】★★★★☆(86点)


■著者紹介・・・藤原 正彦(ふじわら まさひこ)

 1943年生まれ。お茶の水女子大学教授。
 故・新田次郎と藤原ていの次男。

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■関連書評■
a. 「国家の品格」藤原 正彦、新潮社
【私の評価】★★★★☆

b. 「遥かなるケンブリッジ」藤原 正彦、新潮社
【私の評価】★★★★★


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