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「朝は夜より賢い―私の体験的ピンチ脱出法」邱永漢

2004/08/03公開 更新
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朝は夜より賢い―私の体験的ピンチ脱出法 (1983年)


【私の評価】★★★★☆(84点)


要約と感想レビュー

 物事の観方というものは、非常に大事なことだと思います。正しい観方をしてこそ、正しい結果が生まれ、時には社会全体の繁栄に寄与することができます。


 たとえば国際空港の問題については、邱永漢氏は鉄道が導入されたときを例にして、現状維持の考え方を否定しています。


・かつて日本に鉄道が導入された時、鉄道の幹線がとおることに対して、賛成した町と反対した町があった。(p34)


 歴史を振り返って見れば、鉄道の駅ができた町は繁栄し、鉄道のない町はジリ貧ですから、鉄道が通るのを反対するのは愚かに見えます。


 ところが、その場にいると正しい判断ができないのが人間のようです。こうした世の中の観方は、日本人はあまりにも保守的、大衆的に見えます。それはマスコミにもそのような傾向が見られます。


・サラリーマン金融・・・こういう経済的な無能力者に金を貸す奴があこぎだというなら、競輪、競艇の開催を許す国や地方団体のほうがもっと悪いし、家を建てて経済的無能力者に売る奴も悪いということになる。


 こうした視点を変えた論理的な物事の捉え方が、私は非常に大好きなのです。邱永漢氏の商売のやり方は、必ず参考になるものに違いありません。


この本で私が共感した名言

・私はきびしい制限を自らに課して、「工場や店の敷地建物は必ず自分で買う」「手形は絶対切らない」「損がいくらに達したか、また年月を区切ってその年月がすぎてもいっこうに予定のラインに到達しなければ、廃業してしまう」と厳しく規制をしているから、致命傷になる一歩手前で踏みとどまることができているのである。(p138)


・「馬鹿なことは考えないで下さい。どんな目にあわされても、お金のために死ぬことはありません。お金にはそれだけの値打ちはないのです」(p102)


・自分の長所と短所を知り、できることとできないことの区別を自分でつけることができれば、「頭の悪い人」の部類には入らない(p210)


▼引用は下記の書籍からです。
朝は夜より賢い―私の体験的ピンチ脱出法 (1983年)
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邱 永漢
実業之日本社
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【私の評価】★★★★☆(84点)


著者経歴

 邱 永漢(きゅう えいかん)・・・実業家。1924年生まれ。東京大学経済学部卒業。台湾より香港へ亡命し、直木賞受賞作家となる。その後、株の神様、お金の神様といわれながら、事業活動を行い、現在も年間120回飛行機に乗って、東京、台北、上海を飛び回る。著作は約400冊にのぼる。


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