【書評】「「説明」がうまい人がいつも頭においていること」犬塚 壮志
2026/03/03公開 更新
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【私の評価】★★★★☆(85点)
要約と感想レビュー
授業に関係ない話は不要
著者は東京大学を卒業し、駿台予備学校に就職したばかりの頃、「とくにかく伝えなきゃ」と長々とマシンガントークしていたという。受講生からあまりに反応がないので、場を和ませようと雑談を挟むと、「授業に関係ない話は不要」とフィードバックをもらう始末。
当時を振り返って、著者は不安と焦りから思いつくまま話してしまっていたと反省しているのです。先輩が「何を話すかよりも、何を話さないかを決めることのほうが、ずっと重要だよ」と話しているのを聞いて、目からウロコが落ちます。
自分は「あれを伝えよう」「これを伝えよう」と自分の知識ばかり考えていたのに、先輩は「受講生にとってこれだけ覚えればいい!という情報は何なのか」考え続けていたのです。つまり、著者は「自分中心」に考えていたのに対し、先輩は「受講生を中心」に考えていたのです。
説明がうまい人は・・「この人」は何を求めているのか?」という、聞き手個人への深い興味・関心なのです(p67)
相手を中心に考える
相手を中心に考えるというのは、ビジネスの場でも同じです。
上司に報告するなら、「モレなく伝える」よりも上司に話すべき「大切な一つ」は何かを考える。そうすれば、「ご報告します。結論から申し上げますと、全体は順調ですが、課題が一つ発生しています」という言い方ができるのです。
もし上司が「理論派」なら詳細なデータを示し、「情緒派」なら共感や情熱を伝えればいい。
プレゼンでも、相手を中心に考える人は聞き手が「資料」のどこを見ればよいか迷子になっていないか配慮します。プレゼンで「結論」を伝えるために「何が不足なのか?」を考えて理由や事例を伝えていくのです。
「理論派」へはデータ、「情緒派」には共感で伝える(p78)
人間関係も相手を中心に考える
相手を中心に考えるというのは、人間関係にも良い影響を与えます。例えば上司の立場で、部下に現状の課題を改善してもらいたいとしましょう。
自分を中心に考えれば、部下の仕事の課題を改善するように指示すればいいということになります。しかし、部下に「もっと計画的に仕事してくれないと困るよ」と伝えたら、部下はどう感じるでしょうか。
相手を中心に考える人ならば、部下がうまくいっていないのには、理由があるのではないか?と仮説を立てるはずです。そうすれば、「今、どうなってるの?」「課題があるとすれば何?」などと質問して、部下の悩みを聞くことができるはずなのです。
つまり、相手を中心に考えることで、「正論」ではなく、「問い」を発して、相手が自分で考え始めるきっかけを作るのです。
論破は・・相手の心にしこりを残し・・最も愚かな行為・・・説明がうまい人は、意見の「違い」を攻撃するのではなく、その根底にある目的の「共通点」を探します(p235)
自分自分ではなく相手相手
確かに、自分自分ではうまくいくものもうまくいきません。逆に、相手相手なら敵を作らず、仲間を増やしていけるはずです。
説明がうまい人の話だったのに、社会人の世の中の渡り方の話になっていました。それだけ「対話」と「説明」が重要ということなのでしょう。
一言話す前に、相手はどう思うだろう、どう感じるだろうと考えると、すこしだけ深い人間になれるかもしれません。思いつくまま話すことで、「事故」や「失言」に注意したいものです。
犬塚 さん、よい本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・この説明をし終えたときに、相手にどうなっていてもらいたいか?・・結局、この話で一番言いたいことは何だったか?(p29)
・説明がうまい人は、意見と事実を分けて話す(p148)
・説明がうまい人は・・・過去の自分を追体験し・・「つまずきポイント」を予測します(p260)
▼引用は、この本からです

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犬塚 壮志 (著)、サンマーク出版
【私の評価】★★★★☆(85点)
目次
序章 説明がうまい人が頭においている基本の基本
第1章 「相手」に関心を持ってもらうために、頭においていること
第2章 わかりやすい説明のために、頭においていること
第3章 「何から話せばいい?」がなくなる 説明がうまい人が知っている「順番」の原則
第4章 説明のうまい人が、話しながら頭においていること
第5章 シチュエーション別 説明がうまい人が頭においていること
著者経歴
犬塚壮志(いぬつか まさし)・・・教育コンテンツ・プロデューサー/株式会社士教育代表取締役。福岡県久留米市出身。東京大学大学院学際情報学府修了。駿台予備学校の採用試験に当時最年少の25才で合格。駿台時代に開発したオリジナル講座は3,000人以上を動員する超人気講座となり、季節講習会の化学受講者数は予備校業界で日本一となる(映像講義除く)。2017年、駿台を退職し、予備校講師時代の経験を生かしたプレゼンテーション指導や、企業研修・人材育成プログラム・講座の開発、教材作成サポート、講師養成を請け負うサービスを開始。受講アンケートでは満足度95%超。
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