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【書評】「人生は勉強より「世渡り力」だ!」岡野 雅行

2019/07/09公開 更新
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人生は勉強より「世渡り力」だ! (青春新書インテリジェンス)


【私の評価】★★★★☆(89点)


要約と感想レビュー


痛くない注射針をプレスする

岡野さんは、直径0.08mmの痛くない注射針を板をプレスで丸めて作ってしまった金型・プレス屋さんです。


父親の金型屋を引き継いだ岡野さんは、業界のタブーであるプレス屋の仕事に進出しました。普通なら業界から潰されるのですが、岡野さんは誰もやらない安い仕事や、難しい仕事だけを請け負いました。


安い仕事は自動プラント化して儲け、難しい仕事はできるまでやり続けるというスタイルで乗り切ったのです。


「やりかけた仕事は、必ず、最後までやりとげろ」っていうのもその人の教えだ。いったん仕事を始めたら、いくら失敗しようが諦めないっていう、俺の仕事のスタイルの原点になっている(p121)

大企業からの不当な要求

もちろん大企業からの不当な要求や同業者の裏切りはあったのです。


岡野さんは誰もやらない仕事をやる。だから仕事がなくなることはないのだから、不当な要求にはNOを貫きました。不誠実な担当者や会社とは付き合わない。どこの会社も引き受けてくれなくて泣きついてきても引き受けないのです。


例えば契約後、支払いの時になって端数の値引きを要求するような取引先とは、二度と付き合わなかったらしい。


大企業の中には、こっちは下請けだっていう感覚があるから、道理に合わないことを言ってくる会社もあるんだ・・・担当者がちゃっかり自分の手柄にしてるってこともあるしね・・俺はそんなのは二度と相手にしない・・・こっちから切るんだよ(p104)

情報収集と営業力が必要

そうした仕事を選べるのも技術力があるのは当然として、情報収集と営業力があったからだという。


付き合う価値のある人間と信頼関係を持つことで、業界の状況、最新の技術動向を把握するようにしているのです。技術力だけなら岡野さんより技術のある町工場はあるけれども、多くの町工場は情報収集を怠り、卑屈になり潰れていったという。


岡野さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言


・「自分をアピールするなんて・・」「わざわざ"世渡り"に力を注ぎたくないな」なんてヌルイことを言ってると、おいしいところをゴッソリ他人に持っていかれちゃうぞ(p7)


・演出もできないようじゃ、大きくなれないね。俺は20年も前から外車を二台持ってたし、家族や社員をつれて海外旅行にも行ってた・・・職人なんてきついばかりで、ちっとも儲からないなんて思われちゃかなわないからな(p85)


・相手が大企業だからって、卑屈になることはないんだよ。何を言われても言われっぱなし、無理も聞きっぱなしになってるから、向こうは図に乗るんだ。理屈が通らないことには、捨て台詞のひとつも浴びせてやるってくらいの腹がないと、中小企業、零細企業の悲哀はなくならないね(p114)


・裏切られるってことは、自分を鍛える経験でもあるんだよ・・・実体験は重みが違う。必ず、自分の血にもなり肉にもなるんだ。だから、裏切られたからって"へこむ"ことなんかない。世渡りを学ぶいい機会だっていうくらいに考えてりゃいいんだよ(p117)


・つきあいにお金を惜しんじゃいけない・・・お金は、使うから、まわりまわって大きくなって戻ってくるもんなんだよ・・・俺のところに持ち込まれる仕事は、人とのつきあいのなかで生まれたものがほとんどだよ(p130)


・俺は仕事を頼みに来た担当者が、人間として信用できるかどうかで、引き受けるかどうかを決める・・・企業の名前に転んだりしたら、結局は買い叩かれて、仕事を安売りすることになるんだよ(p81)


・弱気になったら嵩(かさ)にかかってくるのが、嫉妬にかられた人間なんだ(p108)


・新しい技術を開発するにも、時代に即応して儲けるにも、なんてったって情報だよ。それもメーカーが持っている最新の情報を知らなきゃいけない(p17)


・情報収集力がないと、仕事の選び方も間違えちまうし、こまかい話、値段のつけ方だって失敗しちゃう(p20)


・自分だけ儲けようなんて狭い了見じゃいけない。仕事を持ち込んでくれた人、仕事がまとまるまでに尽力してくれた人・・あらゆる関係者にしっかり、利益を還元しなきゃダメだよ(p22)


・ほんとに価値がある情報は、人ととことんつきあって、その触れ合いのなかで掴むしかないんだ(p29)


・ついている人間とつきあわなきゃダメだな・・ついている人間は、ツキを引き寄せるだけのことをしてるってことだ・・その人間の生きざまを見ることだし、そこから何かを学ぶってことなんだ(p44)


・俺は全国でいろんなところで講演をやっているけど、そのとき主催する会社や団体の人が空港や駅に迎えに来てくれたり、送ってくれたりする・・・「きょうは、ありがとう」って一万円チップを渡すね。間にプロダクションが入っているときは別だよ・・気は心なんだよ(p49)


・自分を高める、レベルアップするには・・・一流のものを見ること、一流に接することだね。一流を知らなきゃ、進歩なんかねぇよ(p137)


・究めるためには、何がいちばん肝心だか知っているか?基礎を固めることなんだ・・・勉強しただけで分かったつもりになって、基礎のところを実践していない(p175)


・技術を磨くうえで大事なのは辛抱と失敗だ。金型の職人として一人前にあんるには20年はかかるって言われてる。その間、辛抱できるかどうかなんだよ・・・失敗しなきゃ、成功なんかできっこない。失敗を怖がっていちゃダメなんだよ(p179)


▼引用は、この本からです。
人生は勉強より「世渡り力」だ! (青春新書インテリジェンス)
岡野 雅行
青春出版社
売り上げランキング: 281,704


【私の評価】★★★★☆(89点)


目次


1章 "おいしい情報"を手に入れる「世渡り力」
2章 人を引き寄せ、動かす「世渡り力」
3章 自己演出で評価を上げる「世渡り力」
4章 仕事の"敵"から身を守る「世渡り力」
5章 遊びから最高のアイデアを生むコツ
6章 どこでも生きていける「腕」の鍛え方


著者経歴


岡野 雅行(おかの まさゆき)・・・1933年生まれ。20歳頃から金型技術を父親に教わり、30代には量産プラントを開発。リチウムイオン電池のケース、痛くない注射針など誰にもできなかった製品の量産方法を確立。


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