「「キャバクラ」の経済学―「お客の心を捉えてはなさない」疑似恋愛マーケティングの考察」山本 信幸

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「キャバクラ」の経済学―「お客の心を捉えてはなさない」疑似恋愛マーケティングの考察

【私の評価】★★★☆☆(78点)


■名古屋の繁華街を歩いていたら
 キャバクラの女性向けの派手な服を
 売っている店が多くてびっくり。


 キャバクラには数回しか行ったことが
 ないので、キャバクラ業界を知りたく
 なって手にした一冊です。


 20年ほど前の本ですが、
 キャバクラという業界の
 イメージは伝わってきます。


 面白いのは、ただやりたいなら
 風俗に行けばよいのに、
 わざわざキャバクラに行く人がいること。


 可能性はほとんどないのにもかかわらず
 「もしや・・」という妄想で
 通っているのです。


・不倫OLが存在するように、
 体を武器にするホステスもいるだろうが、
 そうしたサービスを行っても
 得るものは少ない。
 なのにお客は「もしや・・」と
 考えてしまう(p177)


■また古い本ですので、
 現在のキャバクラと同じでは
 ないと思いますが、
 給与は業績連動だという。


 店長、マネージャーは
 儲かればボーナスがもらえる。
 売り上げが経れば給与も減る。
 フルコミッションの保険の営業マン
 のようなものなのです。


 だから女性にしっかり
 稼いでもらうように
 体調管理や私生活の
 悩みごとの相談も含めて
 寄り添うらしい。


・マネージャーはホステスを出勤させるためには、
 目覚まし時計の役目もすれば、悩み事の相談にも
 のる。誕生日やノルマを達成したときなどには
 小物程度のプレゼントも贈る。「とにかく、
 つねにおまえ(担当ホステス)を気にかけている
 という姿勢を見せることが大切」(p94)


■まだキャバクラという業態があるように
 世の中には素人の女性と飲む
 ニーズがまだまだあるようです。


 冷静に考えれば自分は定期的に
 金を払ってくれるカモでしかないのに
 もしや彼女と仲良くなって
 やれるんじゃないかと妄想して
 通う人がいるらしいのです。


 人間というものは
 変わらないし
 こんなものなのでしょう。


 山本さん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・新宿歌舞伎町の場合、飲み放題・食べ放題の
 セット料金は一時間一万円程度で指名料、
 特別なオーダー、サービス料・税金を別に
 すれば、これ以上請求されることはな。
 これが正統派キャバクラである・・・
 女性と会話をしながら酒を飲むだけで、
 男たちは一時間一万円を払う(p44)


・一度来店すると、割引券をくれるところが多い・・
 その代わり、入店時刻に制限があることが
 ほとんどだ。これは、開店間もないお客の
 少ない時間帯(7時~8時頃)の集客対策と
 リピーター確保対策を兼ねている(p130)


・「やれそうでやれない」・・男を翻弄する
 ホステスのテクニックである・・
 電話攻撃、プレゼント攻撃、タッチ攻撃
 というように、彼女たちは多彩な
 男性攻略技を繰り出す(p160)


・客が"お腹いっぱい"になるまえに
 指名のホステスを外し、程良い
 "飢餓状態"をつくっておく・・・
 そろそろチェックの時間だなと思うと、
 指名のホステスを外す。
 そうすると、お客は延長するか、
 という気持ちになる(p173)


・最初と最後にお気に入りのホステスがつき、
 出口まで見送ってくれると、お客は
 「また来よう」という幸せな気持ちになる・・
 翌日午後4時30分には「きのうはごちそう
 さまでした」というコールがかかってくる。
 すると「きょうも行こう」という
 気持ちになる(p174)


・ホステスの三大仕事は、
 1電話営業
 2来店時に次の来店の確約
 3接客である。
 お客が店に来なければ
 3の仕事が成り立たない。
 そこで1、2が重要になる(p218)


・成績の良いプロ意識の高いホステスは、
 本当にお客の顔と名前を覚えている。
 初回に数分接客しただけでも、ある程度の
 データを頭の中にインプットしてしまう(p144)


・「ドリンク頼んでいい?」と聞かれて
 「水を飲んでいろ」と言える人はいいが、
 見栄もあってNOと言えない人はビールがいい。
 1本1000円程度だが、4,5人をまかなえるし、
 ビール嫌いのホステスは少ない(p9)


・店長には店の売り上げの7~10%が
 ボーナスとして支給される・・
 ノルマが達成できなければ
 逆に莫大な罰金を科せられる。
 担当にはホステスの売り上げの
 10%程度が支給される。
 自分が管理しているホステスの成績が
 給与額に直結しているのだ(p198)


・新人ホステスの場合は、三日間が勝負だと
 いわれている。担当マネージャーは三日間の
 働きぶりを観察し、「三日目に食事に
 誘って本人の本音を聞き出す」という。
 やる気がない、やる気があっても業界に向かない、
 店になじまないと判断すればクビを宣言する。
 「早い時期に辞めた方が双方のため」(p78)


・売れる素材であると判断すると、
 店側が意図的にナンバーワンに
 仕立てることがある。
 フリーのお客をどんどん付けて、
 指名が取れるような環境作りをする・・
 トップに立つと地位を維持したい
 という欲が出てくる(p211)


・経験則ではお客の名刺を100枚集めれば、
 その10%は指名客になるという(p211)


・銀座のクラブの場合、多くがメンバー制
 になっている。一見さんは入れない
 というのが原則・・ママがお客にあった
 ホステスを付ける。なおかつ役割分担が
 明確だから、プロのホステス・・ヘルプ
 専用のアルバイト的な女性というように
 別れている・・客が指名替えしてヘルプと
 仲良くなろうとしても無理なのだ(p169)


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【私の評価】★★★☆☆(78点)

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■目次

第1章 減税より恋愛を―「消費する心」の分析
第2章 キャバクラって何するところ?―21世紀業態の分析
第3章 キャバクラが儲かるしくみ―ビジネスシステムの分析
第4章 今夜も貴女の客になる―顧客を維持する心理マーケティングの分析
第5章 ぜったい指名して!―疑似恋愛的営業戦略の分析
第6章 グローバル・スタンダードな私たち―女の子の金銭感覚と就労意識の分析



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