「人工知能に哲学を教えたら」岡本 裕一朗

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人工知能に哲学を教えたら (SB新書)

【私の評価】★★★☆☆(78点)


■仕事でAI(人工知能)を話題にする
 ことが多くなってきたので
 手にした一冊です。


 本書は人工知能というより
 哲学で考えられている思考実験を紹介し、
 人工知能をプログラムすることが
 難しいことを実感させるものでした。


 そもそも人の知能はあいまいであり、
 あいまいなままプログラムするのか、
 コンピュータのように画一的にするのか
 プログラム次第なのでしょう。


・「ハゲ頭のパラドクス」・・・
 「髪の毛が何本抜けたらハゲ頭か?」
 という問題です(p23)


■プログラムするのは簡単でも、
 いかにプログラムするかは
 難しいのです。


 例えば、このまま行けば
 100人の他人を殺してしまう。
 しかし100人を救うためには
 自分が死ななければならない


 そうしたときに、
 自分を殺すか、
 100人の他人を殺すか
 どのようにプログラムするのか。


 それは自動運転や
 ロボット兵器が実用化される今、
 100人を殺すプログラムが
 作られているのです。


・あなたは自動運転車の乗員で・・
 子どもが突然道路に入り、
 クルマの前に飛び出してきた。
 ブレーキをかけても、子どもへの
 衝突を回避する時間はなさそうだ。
 進路を変えると、今度はトンネルの
 壁に激突してしまう。子どもを轢けば
 子どもが死亡し、壁に激突すれば
 乗員のあなたが死んでしまう。
 このとき、自動運転車はどう判断すべきか(p35)


■しかし、哲学者というものは
 こんな禅問答のようなこと
 (答えのあるようなないようなこと)を
 考えて仕事にしていたのか!と
 びっくりしました。


 理系の私から見れは
 哲学とはいかに人間をプログラムするのか、
 今の時代なら人工知能をいかに
 プログラムすべきかという問題です。


 それを哲学とするならば、
 哲学なのでしょう。


 岡本さん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・人工知能に幸福はあるのか?・・(p138)


・人工知能やロボットが人間の代わりに働き、
 しかも生産力が増大する・・・
 人間は労働という苦役から開放され、
 好きな活動を楽しむことができるわけです。
 それなのに、「人工知能・ロボット労働社会」
 の到来を、どうして不安の目で
 見てしまうのでしょうか・・
 その根本的な理由は、
 もちろん人間たちの失業にあります(p165)


・2017年に元グーグルのエンジニアであった
 アンソニー・レバンドウスキーが、
 人工知能を神として崇めて「未来への道」
 という宗教団体を設立(p190)


・人工知能が奴隷のように働いてくれるなら、
 「人工知能に仕事が奪われる」という表現は、
 まったくの的外れではないでしょうか(p178)


・芸術の価値は誰が決めるか?・・・
 現代の芸術では、言うまでもなく、
 実物との類似・再現といった客観的な基準は
 ありません。では、芸術作品の価値は、
 どのようにして理解されるのでしょうか(p117)


・人間同士の間で、心(記憶)を入れ替えたら
 どうなるか、という形で問題になってきました・・
 17世紀のイギリスの経験論の哲学者ジョン・ロック
 は「王様と靴直し職人」の心を入れ替えたら、
 人格はどうなるか考えたのです(p143)


・クローン技術や遺伝子改変によって生まれる
 子どもは、「自然に生まれてきたもの」では
 ありませんし、「技術的に制作されたもの」
 とも言えません。今まで自明だった、
 「自然」と「人工」といったカテゴリーが
 不分明になる(p247)


・私は何を知りうるか?・・これを形而上学が示す
 私は何をなすべきか?・・これを道徳学が示す
 私は何を望んでよろしいか?・・これを宗教が教える
 人間とは何か?・・これを人間学が教える(p26)


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人工知能に哲学を教えたら (SB新書)
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【私の評価】★★★☆☆(78点)

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■目次

第1章 AI VS正義 ――人工知能に倫理を教えられるか
第2章 AI VS脳 ――人工知能にとって「認知」とは何か?
第3章 AI vs芸術家 人工知能はアートを理解できるか?
第4章 AI vs恋愛 人工知能にとって幸福とは何か?
第5章 AI vs労働者 ロボットは仕事を奪うか?
第6章 AI vs宗教 人工知能は神を信じるか?
第7章 AI vs遺伝子 人工知能は人類を滅ぼすのか?



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