【私の評価】★★★★☆(84点)
■著者は20年前、花王の香港現地法人で
現地従業員に総スカンをくらうという
試練に合いました。
その経験を生かして独立。
現在は、日本で働く外国人に困惑する
日本企業にアドバイスをしているのです。
今までは海外で駐在員が苦労していましたが、
現在は日本国内で外国人の扱いに
苦労しているのです。
・「日本人上司への不満は何ですか?」という質問に、
「無口で何を考えているのかわからない」
「こまめに声をかけてくれない」(p58)
■そもそも外国と日本では
言葉も違えば考え方も違う。
仕事がうまくいくはずがないのです。
例えば同じ「大丈夫」でも
日本人と外国人では意味がちがいます。
「大丈夫」と思っていたら、
何も進んでいないということも
ありえるのです。
外国人に変わるのを期待するよりも
まずは日本人の側から変わるしか
対応することは難しいのでしょう。
・「できる」「大丈夫」「問題ない」は・・・
その意味合いが日本人と違うケースがあるので
注意が必要です・・・
少しでもできる可能性があれば、
「できる」という言葉は
あたりまえのように使います・・(p141)
■実際には、いくら勉強しても
実地で苦労しないと
分からないのでしょう。
ただ、事前に知識があれば、
最悪の状態になる前に
対策が取れるかもしれない。
また、課題を共有していれば、
仮に失敗しても周囲の理解を
得やすくなるかもしれない。
日本人は特殊な存在だと
再認識する時代なのかも
しれませんね。
千葉さん、
良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・外国人材に重要な内容を伝える時は、
"はっきり""具体的に""細かく"
が基本です(p34)
・外国人部下に指示を出す時は、
言葉を最後まで言い切るのはもちろん、
同じ内容でもくり返すのが鉄則です。
1回言っただけでは理解できないケースがあるので、
むしろ何回かくり返したほうがいいのです(p33)
・言ったもん勝ちの意識が強い・・・
中国には、こんなことわざがあります。
「けんかをしなければ友達になれない」
共感を得るのは自分の考えをはっきり伝える人。
中国人にとって、主張は正義なのです。
欧米人も同じです(p53)
・「どうしよう、困ったなあ・・・」
なんて口が裂けても言ってはいけません。
相手につけ入るスキを与えてしまいますから、
最後までブレずに、毅然とした態度を貫く必要があります。
ここでもし、「では例外的に・・」
なんてやってしまったら最悪です・・・
例外をつくればそこで終わりです
足元みられつけこまれます(p69)
・「日本で働く外国人が抱く会社の不満
(仕事のやり方)」のベスト3・・
「なぜこんなに時間にうるさいの?」
「なぜこんなに細かいの?」
「なぜいちいち報連相しなきゃいけないの?」(p56)
・日本人の管理職は、部下を
ほめない人が多いと言います。
何ごとも完璧主義の日本人は
悪い点の改善を優先・・(p58)
・5回ほめて1回しかる・・
ほめアプローチを日常化させるとはいえ、
終始ほめっぱなしでは効果がありません。
話の途中で注意したり、
叱ったりする場面をつくりながら、
思いっきりほめてあげるのが理想です(p60)
・評価は週に1回フィードバックするのが理想です。
なかなか納得しない可能性のある外国人材には、
これくらいこまめに説明する必要があります。
1回10分程度でかまいません(p72)
・「仕事は契約に基づく」という考えがあります。
仕事は職務記述書や雇用契約書に記され、
そこに書かれた職務のみをまっとうするのがキホン・・
彼ら彼女らの頭のなかで、自分に与えられた
「権限・責任」と「成果・報酬」の関係が
明確になっているからです(p88)
・肩書を気にする日本人に対し、
韓国人はとにかく年齢にこだわるのです。
そのため「年上の部下/後輩」や「年下の上司/先輩」
との関係はデリケートになりがちです・・・
最も関係をギクシャクさせます(p89)
・外国人材のチーム意識を高めるために、
より効果の高い目標設定法をお教えします。
それは「メンバー共通の仮想敵」を
つくることです(p96)
・週に一度の全体ミーティングの際に、
メンバーが輪番で自己紹介プレゼンをする時間を
設けている会社があります
・(1回め)自分の出身地の紹介
・(2回め)日本に来た理由
・(3回目)最近ハマっているもの(p99)
・日本人とは違う自信マンマンのリアクション・・・
できないのに「できる」と言う・・・(p134)
・非を認めるとどんな責任や
不利益が生じるかわからないため・・
謝罪の言葉を口にしようとしません・・
「ごめんなさい」の重みが
まるで違うのです(p143)
・私は平気でウソをつくタイプを見分けるために、
あえてその人が絶対できないであろう業務をあげ、
できるかどうか訊いてみることがあります。
そうすると、10人に1人くらいはいますね。
頑なに「できる」と言う外国人が。(p148)
・外国人材を孤独にさせないしくみをつくることを
おススメします・・・
1同じ国籍から複数名採用する・・・
2「私は重視されている」と感じさせる
3社内のインフォーマルコミュニケーションに誘う
・社内サークル
・イベント(カラオケ大会、ボーリング大会)
・飲み会(歓迎会、忘新年会)
・ホームパーティ(p177)
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【私の評価】★★★★☆(84点)
■目次
はじめに 職場が外国人だらけの時代がやってきた!
1丁目 指示が正しく伝わらない
2丁目 主張だらけ
3丁目 チームワーク不全
4丁目 空気を読めない
5丁目 自信過剰
6丁目 すぐに辞める
おわりに まずは小さなことから始めてみよう