「世界が称賛する日本の教育」伊勢 雅臣
2017/08/17公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(91点)
要約と感想レビュー
■皆さんお馴染みのメルマガ
「国際派日本人養成講座」
の伊勢さんの一冊です。
今回は、日本の教育についてです。
なぜ、何もない敗戦後の日本は、
急速に経済大国になれたのか。
そこには米軍による自由化、
朝鮮戦争による特需など
多くの要因があると思いますが、
当時の日本人の努力の結果であることは
間違いないのでしょう。
死んだ赤ん坊をおぶった
「焼き場に立つ少年」を見て、
涙が出てきました。
・日本のことを調べている中で、「焼き場に立つ少年」という写真に出会った。アメリカ人の報道写真家が終戦直後の日本を撮った一枚で、十歳ほどの少年が死んだ赤ん坊をおぶって、直立不動の姿勢で焼き場の順番を待っている姿である・・・今の豊かな日本は、こういう強い精神力に根ざした先人のたゆまぬ努力の賜物である・・(p47)
■では、失われた20年と言われる
日本の現状の原因は
どこにあるのでしょうか。
それは、バブルの崩壊であり、
円高であり、高齢化のためと思いますが、
現在の日本人の実力が反映されている
ということも間違いないのでしょう。
森友学園問題では、
教育勅語を斉唱する園児が
放送されていました。
伊勢さんは、
そうした戦前の道徳、精神的なものを、
単純に軍国主義と結びつけて全否定する
現代の教育が、
今の日本を作ったのではないか、と
考えているのです。
・現在の日本は・・十分な人材が育っていないことからきた内発的なものである。日教組の左翼偏向教育と文部科学省のゆとり教育によって、学校はあれども「人づくり」はおろそかにされてきた、というのが、危機の真因であろう(p129)
■輸出する資源を持たない日本は、
人が資源なのだと思いました。
「ゆとり教育」などもっての外。
人を育てるためには、
戦前を全否定するのではなく、
良いところを活かし、
戦後の米国の良いところも
取り込むことだと思いました。
伊勢さん、
良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・福井の子育てはどこが違うのか・・登下校の際は、校門で学校に向かって一礼します・・ある中学校では「無言給食」を実施・・地元産業の越前漆器を食器として使い、地域で育てられた野菜・・(p69)
・「しっかり抱いて、下に降ろして、歩かせろ」という子育ての言い伝えが、昔から我が国にはありました(p100)
・ノルウェー、フィンランド、デンマークなどでは「在宅育児手当」を支給・・日本は保育所の整備など、母親が「家庭を離れて働けること」を支援しているが、それよりも「三歳までの子を持つ母親が働かなくともよいよう」に支援したほうが、子どもの健全な成長には
はるかに効果的である・・(p110)
・江戸時代に作られた寺子屋用の教科書は、実物が残っているものだけで、七千種類以上もあるという。(p116)
・スピードが大事なんじゃない・・すぐ役立つことは、すぐに役立たなくなります・・少しでも興味をもったことから気持ちを起こしていって、どんどん自分で掘り下げてほしい。私の授業では、君たちがそのヒントを見つけてくれればいい(p192)
・国家予算の半分近くの国債、すなわち子孫への借金のつけ回しで賄おうとする現在の我が国は、「来年の米まで今年食べてしまおう」という姿勢に陥っている。「米百俵の精神」をもう一度、思い起こすべきときではないか(p120)
・(日本の)底力を恐れた米国が、占領下において、教育勅語と修身教育を廃止させたのは、敵ながらあっぱれな慧眼と言ってよい。さらに独立後もソ連や中国の影響を受けて、我が国の国力を削ぐことに専念してきた「進歩的文化人」たちが、教育勅語と修身教育を「封建的」と攻撃してきたのも、米国の真似であった(p154)
・全国学力調査では、日教組左翼活動の活発な北海道、沖縄県、三重県、大阪府などは下位に並んだ。「子どもの権利」などと甘やかされ、「ゆるみ教育」しか受けず、また先生も組合活動で「自習」ばかりとなれば、学力低下も当然である(p24)
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【私の評価】★★★★★(91点)
目次
第1章 世界が称賛する日本の教育
第2章 蘇る日本の教育
第3章 日本の教育の地下水脈
第4章 国語・古典という根っこ
著者経歴
伊勢雅臣(いせ まさおみ)・・・創刊23年のメールマガジン『国際派日本人養成講座』編集長。読者5万人。昭和28(1953)年東京生まれ。東京工業大学社会工学科卒。製造企業に就職。カリフォルニア大学バークレー校留学。工学修士、経営学修士(MBA)、経営学博士(Ph.D.)。社業のかたわら、私立大学の商学部・工学部で非常勤講師として「産業界の偉人伝」を講義し人気を呼ぶ。平成22(2010)年、ヨーロッパ子会社の社長。平成26(2014)年より3年間、アメリカ法人社長。
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