【私の評価】★★★☆☆(73点)
■経済学といえばお堅いイメージですが、
日常生活の中の仕組みを
分かりやすく教えてくれる一冊です。
たとえば、
100円ショップはなぜ
100円で売ることができるのか?
NB(ナショナルブランド)に対し
PB(プライベートブランド)は
なぜ、安いのか?
その理由は、ほぼ同じなのです。
・PB(プライベートブランド)商品の安さの理由
1宣伝や販売促進のコストがかからない
2労働者の賃金が安い中国などにある専用工場で製造する
3NBメーカーの工場で、空き時間に製造してもらう
4大量に発注して、完全に買い取る(返品しない)
5すぐにおカネを支払う(現金払いの場合もある)(p49)
■面白いところでは、
ふるさと納税の返礼品の競争が
過熱することを予想しています。
自由競争のなかでは
不幸なオークションのように
どんどん競争が過熱するのです。
全体で見れば
税収は変わらないのですから、
宣伝コスト、返礼品コストの分だけ
税収が減ることになります。
・ふるさと納税を勧誘する宣伝のコストは、
いろいろな地方自治体がかけています・・
日本全体の税収が増えるわけではないのです・・
多くの地方自治体が勧誘にかけるコスト
(予算)を増やせば、それだけ社会的な
ムダが大きくなります(p165)
■2008年と10年前の本なので
ネタは古いのですが、
物事の考え方の参考になりました。
著者にはこうした本で
「消費税を増やすと、なぜ税収は減るのか」
を説明してほしいですね。
吉本さん、
良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・ほぼ同じ機能のプリンターであれば、
「プリンター本体の価格が安いほど、
インク代が高くなる」
といった傾向があります(p41)
・レストランがランチタイムの営業をすると・・
ランチの売上はディナーより安定しやすいため、
店の経営が安定するのです・・・
毎月固定的な支払いがあることを考えると、
毎月の収入が安定することには
大きな意味があります(p76)
・いまや、産地を気にすることが
無意味な時代になろうとしている・・・
レタスの一定割合が、大量の中国人農業研修生の
低賃金労働によって生産されている(p118)
・セカンドプライスオークションでは、
1番目に高い価格をつけた買い手が、
2番目に高い価格を支払って、商品を
買うことができます・・どの書いても
自分の評価額を正直に書くことが
合理的な作戦となります(p153)
・国立大学の学歴は、平均的には
将来の高所得につながりますから、
税金で補助をして国立大学の授業料を
安くしていることで、将来の高所得者を
優遇しているとも考えられます(p219)
・たとえば日本で、何らかの物質(二酸化炭素など)
の排出に対して環境税がかけられたとします・・
環境基準が緩く、環境税も導入されていない
新興工業国に工場を移すという選択肢があります(p266)
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【私の評価】★★★☆☆(73点)
■目次
第1章 クルマとプリンターとPB商品、価格の決まり方はどうちがうのか?
第2章 高級レストランの格安ランチが、十分に美味しいのはなぜか?
第3章 パチンコや金取引で必ず儲ける方法は、ときに本当に存在する?
第4章 ライバル企業が、互いに不幸になる競争を止められないのはなぜか?
第5章 大学の授業料は、これからも上昇を続けるのだろうか?
第6章 地球温暖化対策に、高すぎる価格がつけられようとしている?
読んでいただきありがとうございました!