「むしろ暴落しそうな金融商品を買え!」吉本 佳生
2013/05/02公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(71点)
要約と感想レビュー
■投資の基礎知識を学ぶ一冊です。
投資といえば、60歳で退職した人が、
数千万円の退職金を手にして、
最初に考えるのが投資でしょう。
だいたい持ちなれないお金を持つと
失敗すると相場が決まっています。
実は、投資とは、お金を増やすことではなく、
お金を減らさないための努力なのです。
・「3年間の資産運用で、元本の3割以上を失う危険性(確率)を1%以下に抑える」というように、許容できるリスクの上限を設定します(p196)
■どこまでリスクを取れるのかは、
お金によって異なります。
この金はヨットを買おうと思ったけど、
気が変わったので余った2000万円。
この金は3人の子どもたちが大学に行くために
コツコツ貯めた2000万円。
余裕資金と、使い道が決まっているお金では、
投資先が変わるのは当然のことなのです。
・新興国の為替レートは変動幅が相当に大きいうえに、為替手数料が高めですから、ハイリスクを覚悟して、ギャンブル性の高い投資として割り切ることができる人だけが、投資すべきでしょう(p81)
■安全に確実に儲ける投資先は、
絶対にありません。
もし、そんな方法があるとするならば、
エコノミスト、コンサルタントではなく、
バフェットのように投資で生活すればいい。
そうした投資の現実を知ったうえで、
投資に向かいたいものです。
吉本さん
良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・確実に上がりそうだと思った資産は買わず(そう思っていると売り損ないやすいので)、逆に、暴落しそうで恐いと感じる資産を買うほうがいいでしょう(そう感じていると、暴落の兆しがあるときに売る判断をしやすいので)(p198)
・きついノルマに追われる金融機関の販売担当者は、長期間安定して株式投資信託の信託報酬を稼ぎたいなどの理由で、「顧客(カモ)には長期投資をしてほしい」と願っていたりします(p98)
・満期が短い、シンプルな預貯金・債権は、インフレのリスクに対して相対的に強い金融商品です・・・金利がインフレ率よりも高ければ、インフレによる実質価値の目減りを上回る金利がつき、実質価値はトータルでは減りません(p112)
・ふつうの社債に投資するとき、いちばん怖いのは、発行企業の経営破綻です。・・・そして筆者は、個人が社債のリスクを負うのは,はっきりいって、避けるべきだと考えています(p116)
・ショックが起きて、金融機関などが不安を感じたとき、国と国のあいだのカネの流れは、海外からカネを借りている国から、海外にカネを貸している国に動く。・・・日本は世界一の貸し手、アメリカは世界一の借り手(p157)
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【私の評価】★★★☆☆(71点)
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目次
第1章 これだけ読めば「本書のポイント」がわかる
第2章 長期投資で儲からなくなったのは一目瞭然
第3章 分散投資ではもはや資産は守れない
第4章 個人向けの社債・ミニ公募債・国債、投資していいのはどれか?
第5章 外貨への長期投資は日本人には危険すぎる
第6章 「暴落しそうで不安だ」と思う資産のほうが安全?
著者経歴
吉本佳生よしもと よしお)・・・1963年、三重県生まれ。大学卒業後、銀行勤務を経て、エコノミスト・著述家・関西大学会計専門職大学院特任教授。専門は金融経済論、生活経済学、国際金融論。NHK教育・総合テレビで放送された、経済学教育番組「出社が楽しい経済学」の出演・監修者
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