「暗闘」山口 敬之
2017/02/17公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(84点)
■トランプ大統領就任前の
安倍・トランプ会談から
日露交渉までを解説する一冊です。
著者の山口さんは
元TBSワシントン支局長。
政権で何が起きているのか
よく知る立場にいる人物です。
・現段階ではっきりしているのは、
トランプと政権中枢が筋金入りの
対中強硬派であり、親台派である
ということである(p81)
■現在、安倍首相は3つの戦争を
戦っていることがわかります。
一つは安倍首相を
「極右の好戦的ナショナリスト」
としたい中国、韓国との戦争。
そしてそれを支える民主党、
マスコミ、ジャーナリスト、
プロ活動家との情報戦。
最後は外務省内の抵抗勢力です。
外務省対策としては、官邸に
国家安全保障局を設置しています。
・外務省では・・
「一年程度で頻繁に替わる日本の首相や
外務大臣の意向に従って相手国の機嫌を
損ねても何もいいことはない」と考える者も
少なくないのである(p118)
■民進党に口撃されたくらいで
泣いているようでは、
この戦争には勝てないのでしょう。
本当の戦争よりも厳しいものが
あるように感じました。
山口さん、
良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・国家安全保障局(NSS)を官邸に新設・・
外務省や防衛相の上に、外交・安全保障を統括する
司令塔となる組織を置いたのである(p109)
・安倍は(オバマに)日本の立場をこう説明した。
「日本は、中国とロシアという二つの大国と同時に
対峙することはできない」
「軍事的にも経済的にも、ロシアの脅威は
中国よりはるかに小さい」(p62)
・日本の防衛費の絶対値について現在政権幹部は、
さまざまなチャンネルを通じて
「GDP比1パーセント枠の撤廃」
を求めてきている(p96)
・元祖チャイナスクールとでもいうべき人物に
谷野作太郎がいる・・
いわゆる河野談話の作成を主導した・・
日本側は河野談話を発表することで慰安婦問題に
一定の区切りを付けることを狙ったが、
逆に韓国国内の日本批判はより一層激しくなった(p115)
・安倍と宗男との連携に激しく反発したのが、
外務省のロシアスクールだ・・
これまで洩れなかったさまざまな
日露交渉に関する情報が、官邸の意に反して
新聞紙面を賑わすようになる(p155)
・中国共産党幹部の趙は南京で、「歴史を改ざん
しようとするいかなる目論見も、中国人民と
世界の平和と正義を愛する人々から糾弾され、
軽蔑されるだろう」と述べたが、当の中国
共産党指導部こそが・・天安門事件という
史実をなかったことにしようとしている(p187)
【私の評価】★★★★☆(84点)
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■目次
第1章 安倍・トランプ会談の衝撃
第2章 トランプ陣営の正体
第3章 安倍・トランプ時代の日米関係
第4章 官邸と外務省の暗闘
第5章 日露交渉
最終章 安倍外交が目指すもの
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