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安倍晋三の「暗闘」山口 敬之

2017/02/17公開 更新
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暗闘


【私の評価】★★★★☆(84点)


要約と感想レビュー

安倍晋三は中国とロシアを分断しようとした

トランプ大統領就任前の安倍・トランプ会談から日露交渉までを解説する一冊です。著者の山口さんは元TBSワシントン支局長として、安倍政権で何が起きているのかよく知る立場にいる人物です。


安倍首相は、中国を一番の脅威であると考えていたことがわかります。だから、中国以外のロシアや韓国やアメリカと良い関係を作り、中国による日本包囲網を破壊しようとしていたのです。しかし、オバマ大統領は中国寄りであり、ロシアに対して対立的で、日米の認識に差があることがわかります。


トランプ大統領が対中強硬派であり、親台派であったことから、歴史的に正しかったのは、安倍首相であったということになるのでしょう。表現を変えれば、安倍首相がトランプ大統領を説得して、中国包囲網を作り上げたのです。


安倍は(オバマに)日本の立場をこう説明した。「日本は、中国とロシアという二つの大国と同時に対峙することはできない」「軍事的にも経済的にも、ロシアの脅威は中国よりはるかに小さい」(p62)

安倍晋三の3つの敵

現在、安倍首相は3つの戦争を戦っていることがわかります。一つは安倍首相を「極右の好戦的ナショナリスト」としたい中国、韓国との戦争。二つ目は、それを支える民主党、マスコミ、ジャーナリスト、プロ活動家との情報戦。


三つ目は外務省内の抵抗勢力です。まず、ロシアとの関係を正常化するため、安倍首相は鈴木宗男と連携しました。これに外務省のロシアスクールが激しく反発したという。安倍首相は、外務省対策として、官邸に国家安全保障局を設置しています。


外務省では・・「一年程度で頻繁に替わる日本の首相や外務大臣の意向に従って相手国の機嫌を損ねても何もいいことはない」と考える者も少なくないのである(p118)

国家安全保障局の設置

安倍首相は、国家安全保障局(NSS)を官邸に新設して、外務省や防衛省を統括するる組織を置きました。また、日本の防衛費GDP比1パーセント枠の撤廃を求めています。先見の明があることがわかります。


民進党に口撃されたくらいで泣いているようでは、この戦争には勝てないのでしょう。本当の戦争よりも厳しいものがあるように感じました。山口さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・元祖チャイナスクールとでもいうべき人物に谷野作太郎がいる・・いわゆる河野談話の作成を主導した・・日本側は河野談話を発表することで慰安婦問題に一定の区切りを付けることを狙ったが、逆に韓国国内の日本批判はより一層激しくなった(p115)


・中国共産党幹部の趙は南京で、「歴史を改ざんしようとするいかなる目論見も、中国人民と世界の平和と正義を愛する人々から糾弾され、軽蔑されるだろう」と述べたが、当の中国共産党指導部こそが・・天安門事件という史実をなかったことにしようとしている(p187)


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【私の評価】★★★★☆(84点)


目次

第1章 安倍・トランプ会談の衝撃
第2章 トランプ陣営の正体
第3章 安倍・トランプ時代の日米関係
第4章 官邸と外務省の暗闘
第5章 日露交渉
最終章 安倍外交が目指すもの


著者経歴

山口敬之(やまぐち のりゆき)・・・1966年東京生まれ。フリージャーナリスト・アメリカシンクタンク客員研究員。90年慶應義塾大学経済学部卒、TBS入社。以来25年間報道局に所属する。報道カメラマン、臨時プノンペン支局、ロンドン支局、社会部を経て2000年から政治部。13年からワシントン支局長を務める。16年5月TBSを退職。


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