【書評】「間違いだらけのビジネス戦略」山田 修
2015/12/10公開 更新
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【私の評価】★★★★★(91点)
要約と感想レビュー
プロ経営者の視点
サラリーマンが社長になると、実際には戸惑ってしまうという。社長は組織の中で唯一無二の存在だから、それまでの経験則では判断できないことばかりだからです。
そのせいなのか、最近、外部からプロ経営者を招へいする企業が増えてきました。著者もいくつかの企業を再生してきたプロ経営者です。プロ経営者から経営を見ると、他の会社の経営はどのように見えるのでしょうか。
例えば、イトーヨーカ堂の社員としてセブンイレブンを立ち上げた鈴木会長は、創業者ともいえるような振る舞いをしていましたが、プロ経営者から見ると潔くないように見えるようです。
セブン&アイ、鈴木会長の次男が取締役就任・・鈴木会長は従業員経営者という出自を超えて振る舞っているようにみえる・・筆者なら「李下(りか)に冠を正さず」、あるいは「痛くもない腹を探られたくない」という経営行動を選ぶ(p130)
経営者の仕事とは
日本でも、欧米の経営者のようにトップしかできない仕事をしている経営者が増えています。日立製作所、マツダ、パナソニックなど、経営者の判断が正しければ大きな成果が期待できます。もちろん、的外れな判断は、企業を崩壊させる可能性もあるのですが、それが経営者の役割なのでしょう。
つまり、経営者は経営者でなければできない仕事である、分社化や企業買収といった組織を大きく変える打ち手や、不採算部門を売却して一点集中させるリストラなど、企業の大方針を判断するべきなのです。もちろん何もしないことも一つの判断です。
パナソニックはその後、自動車関連も加えBtoB分野に軸足を移し業容を拡大させ、業績回復を果たした。テレビ部門出身の津賀氏が果敢にプラズマテレビ事業を閉鎖した意思決定は賞賛に値するし、12月10日には約7000人いた旧本社部門を再編し、150人程度のコーポレート戦略本社に削減した豪腕には肝を潰した(p174)
プロ経営者が活躍する時代
プロ経営者は会社の経営に責任を持っています。日産のカルロス・ゴーンは9億円以上の報酬で、会社の経常利益は5271億円です。ユーシンの田邊氏の報酬は7億円で経常利益額は10億6000万円であることを指摘しています。
著者の歯に衣着せない発言が興味深いと感じました。プロ経営者が活躍する時代が近づいてきたのでしょう。山田さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・「ヨドバシ.com」・・同社では店頭のすべての商品にバーコードが付いており、スマートフォンなどで読み取ると画面に当該商品の競合価格や在庫状況などが示される(p84)
・イオンの不調は、大型小売店舗をチェーン展開するGMSの業態がいよいよ曲がり角に来ている現れ・・リアル店舗で探し回るより、ネットでの大量一括比較、そして検索型のショッピングが効率的となってきた(p93)
・アジアへの生産拠点進出を検討している企業に対し、筆者は韓国とフィリピンは避けるよう助言している。前者には対日感情、後者には治安の問題があるからだ。「行きは良い、帰りは怖い」ということ(p245)
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【私の評価】★★★★★(91点)
目次
CHAPTER 1 戦い終わり日が暮れて
CHAPTER 2 戦略を誤ると名門企業も崖っぷち
CHAPTER 3 今年のワースト経営者は誰だ?
CHAPTER 4 プロ経営者がブーム?企業文化を根こそぎにする猛者たち
CHAPTER 5 卓越した戦略経営者に学ぶ
CHAPTER 6 吉か凶か、繰り出した戦略大技はどう着地する?
CHAPTER 7 変わるビジネス環境、生き残り勝ち上がれ
著者経歴
山田修(やまだ おさむ)・・・ビジネス評論家。20年以上に渡り外資4社及び日系2社(ポントデータ・ジャパン、王氏港建日本、フィリップス・ライティング、ミード、キッチンハウス、トーラス)で社長を歴任。フィリップス・ライティング社では、半減していた年商を3年で3倍増。6年間赤字だったミード社では就任半期で黒字化するなど、「再生請負経営者」と呼ばれた。現在は、戦略策定指導の第一人者として、社長個別指導、講演、経営セミナー、企業内での幹部研修などで全国を飛び回る。
読んでいただきありがとうございました!
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