「世界はすでに破綻しているのか?」高城 剛
2014/09/26公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(76点)
要約と感想レビュー
世界の破綻国家を渡りあるいた高城さんの感想です。
ロンドン、アルゼンチン、スペイン、ギリシャ、キプロスなどを見ていると「破綻は突然来る」らしい。ちなみに、日本での預金封鎖は敗戦後のことで、この時は新円切替えと引き出し制限が行われているのです。
・2001年12月1日・・アルゼンチン政府は、国民が銀行から引き出せる額を週に上限250ドルと発表・・・パンの値段がたった一日で10倍にまで跳ね上がり・・(p76)
国家の経済が破綻すると、インフレになります。銀行からお金をおろせなくなり、場合によっては預金没収。お金持ちは海外に逃げる。逃げられない人は、お金がなくても生きていける準備が必要なのでしょう。
・日系アルゼンチン人2世の僕の知人によれば、裕福な人は早々に海外へ逃げ出しているという・・・比較的お金がある人は郊外にセカンドハウスを買い、地方に自分の畑を持つことも多い(p89)
常に最悪を想定しておくことが、原子力発電所でも人生でも大切なようです。私の外貨資産(金貨含む)の比率は14%でしたので、もう少し、比率を増やそうと思います。
高城さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・スペイン人は本当にうまいものを知っている・・どんなに安くても便利でも、価値もないものに金を出すのは"間抜けの象徴"(p19)
・プラザ合意以降の急激なドル安で、インフレが問題視されるようになったアメリカは、その抑止という名目で「ドル高政策」へと急転換することになる・・・大国の方針転換で、小国の経済は一瞬にして吹き飛ぶ(p59)
・そもそもギリシャという国は、1830年に独立して以降、国家の歴史の半分以上がほぼデフォルト状態という「問題児」(p120)
・ギリシャでは、電気やガスなど公共部門の多くが国営企業によって担われているが、今回の財政再建計画には、これら国有資産の売却も盛り込まれている(p125)
・デトロイト市の人口は最盛期で185万人を記録したが、現在は68万人しかいない。そのうち83%は黒人だ。(p156)
・松方デフレ・・豪農と高利貸しのみが生き残り、それ以外の者はすべて小作農に転落する。この構造は、今の世界の構造と酷似しており、資本家と金融業者のみが生き残り、多くの者は会社の奴隷のように働かされる"社畜"(p178)
【私の評価】★★★☆☆(76点)
目次
第1章 国家財政破綻、人はどう生き延びたのか?
第2章 ユーロ圏危機に学ぶ「生き延びるヒント」
第3章 デトロイトに見る、アメリカの未来
著者経歴
高城剛(たかしろ つよし)・・・1964年、東京都葛飾区柴又生まれ。日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオビエンナーレ」でグランプリ受賞後、メディアを超えて横断的に活動。自身も数多くのメディアに登場し、広告に出演。総務省情報通信審議会専門委員など公職歴任。2008年より、拠点を欧州へ移し活動。現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。
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