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「分断した世界 逆転するグローバリズムの行方」高城 剛

2018/03/25公開 更新
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分断した世界 逆転するグローバリズムの行方


【私の評価】★★☆☆☆(68点)


要約と感想レビュー

高城さんの仮説は、新しい技術とバブル崩壊が交互に起こるというものです。そう考えると、ネットによる技術革新に伴いもっと大きな大恐慌がやってくるのではないかと予想しているのです。すでにリーマンショックがアメリカを中心とする経済圏を弱めています。次の時代は中国なのか。その前に、中国のバブルが崩壊し、世界大恐慌のようなことが起こるのか。これからどうなるのでしょうか。


また、世界のお金の流れを説明しています。世界にはタックスヘイブン、租税回避地がたくさんあります。大企業や大富豪は世界中で一番租税が安くなる仕組みを利用して、税金を回避しているのです。例えば、「フォーチュングローバル500」社のうち、362社(72%)が法人税の支払いを回避する行動を取っており、GEは2010年に140億ドル(約1兆4200億円)もの利益を上げていながら、法人税をまったく納税していなかったという。


現在アメリカでは、上位1%が持つ資産は、残りの99%が持つ資産の総量よりも多いという。金持ちはますます金持ちとなり、労働者はますます搾取されるのが現実なのでしょう。高城さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・僕の仮説、つまり新しい「魔法の機械」の普及による「情報の爆発」が、人間の欲望による悪巧みを掻き立て、それがバブルから崩壊へと誘う・・(p16)


・トランプの大統領選における最大献金者には前述のコーク兄弟が出資するAFPのほか・・ロバート・マーサー・・もうひとりが、ラスベガスや各国で巨大カジノのサンズグループを経営するシェルドン・アデルソンだ。このユダヤ人の富豪は、・・シオニズム信奉者(シオニスト)である(p154)


・フィンテックとは、「オフショア金融センター」を、サイバー空間で作れるかどうかが鍵となる・・実はシティは1189年から自治権を持つ都市だ・・租税回避や守秘性などさまざまな便宜を図る世界的な金融センター・・一方、アメリカにおいても、ホワイトハウスからわずか160キロ先に、デラウエア州というタックスヘイブンがある(p47)


分断した世界 逆転するグローバリズムの行方
分断した世界 逆転するグローバリズムの行方
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高城 剛
集英社
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【私の評価】★★☆☆☆(68点)


目次

第1章 統合と再「分断」の歴史
第2章 アメリカの「分断」は民主主義の終焉なのか?
第3章 城壁発祥の地、EUの「分断」



著者経歴

高城剛(たかしろ つよし)・・・1964年、東京都葛飾区柴又生まれ。日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオビエンナーレ」でグランプリ受賞後、メディアを超えて横断的に活動。自身も数多くのメディアに登場し、広告に出演。総務省情報通信審議会専門委員など公職歴任。2008年より、拠点を欧州へ移し活動。現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。


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