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「やさしさを「強さ」に変える心理学」加藤諦三

本のソムリエ 2014/09/08メルマガ登録
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やさしさを「強さ」に変える心理学 (PHP文庫)


【私の評価】★★★★★(94点)


要約と感想レビュー

 自分の心の中の状況を言い当てられたような気持になった一冊です。例としておかしいかもしれませんが、私は仕事を何でも「ハイ」と言ってやってきたタイプ。良く見れば素直ですが、悪く見れば自主性がないということです。


 ただ、それでうまくいっていたという成功体験を持っている。しかし、それがすべての環境でうまくいくとは限らないのです。世の中には、意識的にしろ無意識にしろ、そうした性格の人をうまく利用しようとする人間がいるのです。


・「お金を貸してと言われて断れない人がいる。・・こういう性格は、苛める人が目をつける性格である・・幸いにそういう苛める人と出会わなければ幸せに 暮らせるが、出会えば食い物にされる(p40)


 人を育てようという良い環境であれば、何でも「ハイ」と言っていれば、成長していきます。経験を積み、仕事を任せられ、自分で考えて仕事を組み立てる能力がついてきます。


 しかし、「ハイ」と言っているだけでは、うまく使われるだけで、バカにされる環境もあるのです。その状況が極端になると苛め(いじめ)のようなものになってしまうのです。NOと言わないとわかれば、なんでもやりほうだいだからです。


・イヤと言わないのは「いい人」と思われたいからである。しかし「嫌い」とか「イヤ」と言わないからといって「いい人」と思われることはない。バカにされるだけである。(p62)


 やはり、「ハイ」だけではなく「イヤ」とも言わなくてはなりません。もし、言えないとすれば、自分の心はどうなっているのか、よく考える必要があります。


 多分、「イヤ」と言えない人は、何らかの怖さを感じているのです。「イヤ」といった後に、もっと嫌なことが起こりそうな気がする。そこに付け込まれ、もっと悪い状況になってしまうことのほうが多いのです。それがすぐにわかる場合もあれば、よくわからない人もいるでしょう。そうした人のために、この本があるのです。


・苛(いじ)められやすい性格の人は対立を恐れる。対立がいやだから相手の言いなりになってしまう。・・・心のどこかでその人が嫌いなのである・・自分が相手を嫌いだから、何かを言うと相手との関係が切れる気がする(p41)


 なんでも「ハイ」と言って受け入れるのが「やさしさ」ではないのです。まず、自分を大切にしなくてはならない。そのためには「対立」も不可避かもしれないが、それでいいではないですか。


 さらに、「対立」してみると、切れると思った関係が逆に深まるケースが多いのです。そういう一歩を踏み出して、新しい世界観を持てるように導いてくれる一冊だと思いました。★5つとしました。


 加藤さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・弱い人は自分にとって一番大事なものが何だかわかっていない。だから戦えない(p11)・・・


・「これだけは渡したくない」という気持ちがなければ、闘う力がわかない。また心の底から「私はこの人を本当に嫌いだ」と思わなければ、分かれる力が出てこない。「本当嫌いだ」と思えば、相手を断ち切る準備を始める(p11)


・暴力団に脅かされた時に、警察に行けば守ってくれる・・心の中の世界では、あなたは感情的恐喝からも、苛めからも、守られていない。・・この世界ではタフなやつが勝つ。理屈はいらない(p19)


・苛める人は口が達者である。演技もうまい。そうしてあなたのやさしさをもてあそぶ。でも感謝の気持ちを知らない。・・・この本の主張は、そうしたずるい人に「苛められるな!」ということである。「あなたが変われ」ということである(p20)


・加害恐怖の人は自分も相手もわかっていない。怖くて相手に自分をぶつけられないのである。(p39)


・「イヤなものはイヤ」と言えばいい。・・・だいたいイヤだと言っているのに、「なぜだ?」と聞く方が失礼なのである(p53)


・自分を安売りするのは自分を嫌っているからだ・・相手から尊敬されるかというと尊敬はされない。逆に軽く思われるだけである(p54)


・苛められる人間はどうしてもストレスがたまりやすい。それは不本意なことがあっても言い返せないからである。軽くあしらわれたことに対して抗議できない。(p60)


・「君はオレを信用できないのか」と言われた時に、「信用できません」とはっきり言えばよかったのである・・「あなたは他の人にも同じように言いますか」と次官に言い返せばよかったのである(p93)


・苛める側はタフである。冷たいが自信がある。そして恐喝できる人間を探し当てる。(p106)


・感情的恐喝をする人は、本質的にずるく無責任な人たちである。人のことをどうだっていい、という自己中心的な人たちである。ずるくなければ感情的恐喝はできない(p149)


・誰にでも「ハイ」と言っていい顔をしていると、相手になめられるだけでなく、相手の要求が日増しに増大してくる。・・・人間関係での従順は、時にトラブルを大きくする(p175)


やさしさを「強さ」に変える心理学 (PHP文庫)
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【私の評価】★★★★★(94点)



目次

第1章 弱さのために幸せになれない不幸
第2章 本当のやさしさ、見せかけのやさしさ
第3章 感情的恐喝には"強く出る"のが鉄則
第4章 言いなりにならない、騙されない
第5章 断る勇気があなたを変える
第6章 あなたにとっての「敵」と「味方」を間違えるな
第7章 やさしさを「強さ」に変える五つの方法


著者紹介

 加藤諦三(かとう たいぞう)・・・心理学者。1938年生まれ。東京大学教養学部卒業。同大学院修士課程修了。
現在、早稲田大学名誉教授、ハーバード大学ライシャワー研究所客員研究員。ラジオの「テレフォン人生相談」パーソナリティーを半世紀担当。


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