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「心の整理学」加藤 諦三

2014/04/22公開 更新
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心の整理学 (PHP文庫)


【私の評価】★★★★★(91点)


要約と感想レビュー

 世の中には、不思議なことに、同じ失敗をしても、自分を責める人と、他人に責任をなすりつける人がいます。この本は、自分を責める人のための本です。


 自分を責める人は、自分の感情をあまり出さない傾向があります。なぜなら、感情を出しては、相手に悪いと思っているからです。あなたが相手のことを思っているから、相手はあなたのことを軽く見がちになります。


・皆に好かれよう、皆に評価されようとするから、体力が限界にきているのにまだ誰にでも良い顔をしようとする(p8)


 そして感情を出さない人の周りには、感情を出す人が集まります。あなたが感情を出さないのをいいことに、感情的に攻撃してくる人さえいます。ほんとうにひどい人間だと思いますが、実際にそういう人はいるのです。そうしたときに、どうすれば良いのでしょうか。もし、あなたが反応しなければ、そうした人は、調子に乗ってもっと大きな要求をしてくるのです。


・真に賢くてたくましい人とは、暴言を吐いて暴れ回る人ではない。欲求不満から人を攻撃している人ではない。・・・あなたを攻撃してくる人は、決してあなたが思うほど強い人たちではない。・・「この人は反撃してこない」とにらんだあなたに攻撃を仕掛けてきたのである。(p206)


 あなたを攻撃する人は、実は人間的レベルが低く、弱い人なのです。だから、やはり覚悟を決めて、感情を出していくしかありません。これまで感情を出さないようにしていたから、感情をだすのはたいへんでしょう。これも修行なのです。練習していけば、自分の感情がわかるようになり、どう感情を出せばいいかわかってくるはずです。


・何事も耐えることで解決してきたような人は、自分の感情を出す日を作ることである。自分を出す訓練をすることが、忍耐よりも辛いことがある。それは不安に打ち勝たなければならないからである・・・自分がしたいことを、小さなことでもしてみることである・・自分を出す訓練をすることが大切である(p122)


 私も通ってきた道だと思いました。攻撃してくる人を許してはなりません。物事を大きくして、大問題にしましょう。それぐらいの覚悟が必要です。


 加藤さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・「自分には好きと嫌いがない」ということは「自分がない」ということである(p83)


・ただ強くて感情をむき出しにして、暴言を吐いて人を痛めつけている人を観察してみるといい。欲求不満であるが、同時に心の底に淋しさがある。人と心が触れていないから正気を失っている。心の品格がない。(p209)


・今つきあっている人が好きなのか、嫌いなのか?どちらでもないのか?それらをハッキリとさせる。嫌いな人と無理をしてつきあっていることで失うエネルギーはものすごい。(p81)


・抑制型の人は自分の感情表現が上手くできない。それなのにあなたはずうずうしい人と対等に感情を表現しようと努力してきた。これはすごいことなのである。(p196)


・心を整理するとは、全体を見るということである・・・今問題になっていることは上手くいかなくても、他のことは上手くいっている。それをきちんと理解する。(p171)


・いろいろと比較していくと、今の悩みはそれほど取り返しがつかないことでもないということに気がつく。・・・今の悩みは「明日、食べられない」ということではない(p25)


・会議に出るのが嫌だという。それなら会議のメンバーの反応を見ることにしてはどうか。・・・そうすると会社の中でどの人がずるい人か分かる。同僚が見える。人が見える。(p125)


・楽観主義の人は、人間関係で失敗すれば「そうか、今度はこういう人とつきあってみよう。こういう人は避けないといけない」と、つきあい方の改善を考える。・・・悲観主義の人はまた、失敗すると「自分には能力がなかった」と解釈する(p138)


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【私の評価】★★★★★(91点)


目次

第1章 最悪を考えると、今がラクになる
第2章 心の整理とは現実を見つめること
第3章 燃え尽きる人は捨てられない人
第4章 思い込みが苦しみを作る
第5章 どこが耐えられないか自問する
第6章 ものごとは解釈によって変わる
第7章 高すぎる期待が不幸を生む
第8章 心の眼で見なければ真実は分からない



著者経歴

 加藤諦三(かとう たいぞう)・・・心理学者。1938年生まれ。東京大学教養学部卒業。同大学院修士課程修了。現在、早稲田大学名誉教授、ハーバード大学ライシャワー研究所客員研究員。ラジオの「テレフォン人生相談」パーソナリティーを半世紀担当。


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