「アメリカはいかにして日本を追い詰めたか」ジェフリー・レコード

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アメリカはいかにして日本を追い詰めたか: 「米国陸軍戦略研究所レポート」から読み解く日米開戦

【私の評価】★★★☆☆(72点)


■2009年に発表された国防政策の専門家である空軍大学教官
 ジェフリー・レコード氏の陸軍戦略研究所レポート
 「日本の戦争決断1941年:その今日的教訓」です。


 現代においても、アメリカは経済制裁という
 手段を用いて、敵国に圧力をかけています。


 「オレは強いんだから、圧力をかければ屈するだろう」
 簡単なロジックですね。


・ディーン・アチソンは1941年には国務次官補であり、
 経済問題を担当していた。彼は真珠湾攻撃以前に
 次のように語っていた。「わが国を攻撃すれば、
 日本にとって破滅的な結果になることは、
 少し頭を使えばどんな日本人にでもわかることだ」(p21)


■日本人は、アメリカを攻撃すれば、
 破滅することがわかっていた。


 「座して死を待つよりアメリカを討つ」


 「座して死を待つより・・・」というのは、
 日本人らしい思考です。


 「いや、死なないって・・」と突っ込む人は
 いなかったのですね。


・バジル・ヘンリーリデル=ハート卿は次のように回想している。
 「どのような国であれ、ああいった屈辱的な条件を呑み、
 国家としての面子をつぶされる事態を甘んじて受け入れる
 ことはない。日本という国家なら、なおさらである(p25)


■今さらながらですが、日本が真珠湾を攻撃せず、
 オランダ領インドネシアの石油だけを狙っていれば、
 アメリカは参戦することができなかった。


 アメリカはそのシナリオを
 非常に恐れていたことがわかります。


 アメリカが参戦するためには、
 どうしても日本がアメリカに直接攻撃しなくては
 ならなかったのです。


 どうして最悪の選択を日本が選ぶことになったのか。

 
 挑発に乗ってしまった日本の歴史を
 しっかり覚えておく必要があるのでしょう。


・ヨーロッパに目をやれば、ドイツがイギリス本土を
 攻撃しているのである。本土攻撃に対してさえも
 アメリカはイギリスの側に立って参戦できないでいた。
 ヨーロッパ帝国主義の象徴であるアジアの植民地を
 日本が攻撃したとしても、アメリカが参戦できるはずが
 ないではないか。(p170)


■日本にもアメリカとの戦争を避けながら、
 石油を確保するる選択肢があった
 ことがわかりました。


 挑発する側は、弱みがあるから挑発するのです。
 相手の気持ちに立ってみれば、
 一番いいのは、挑発を無視すること。


 尖閣諸島でもあらゆる手段を持って、
 挑発してくるでしょうが、
 勝負はそれを無視できるかどうかだと思います。


 レコードさん、
 良い本をありがとうございました。


─────────────────────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・1941年に日本がアメリカとの戦いを決意した動機は、
 一つには日本の誇りの問題であり、もう一つは、
 アメリカによってもたらされた経済の破綻であった(p24)


・1940年十月初旬、ルーズベルトはハル国務長官と
 サムナー・ウェルズ国務次官に対して、石油禁輸をすれば 
 日本が蘭印を攻撃する可能性があることを語っている(p46)


・日本はアメリカとの戦いを決意しようが、
 アメリカの要求に屈しようが、どちらの選択をしても
 国家的破滅となることは避けようがなかった。(p52)


・ホプキンスは真珠湾攻撃以前の一年前に・・・
 「日本がわが国との衝突を避ける戦術をとったらどうするか、
 彼らがフィリピンやハワイを攻撃してこなかったらどうするか、
 タイ、仏印あるいは中国内陸部への侵攻だけであったらどうするか、
 マレー海峡の攻撃まででやめてしまったらどうするか。
 こうしたシナリオが大統領の悩みであった」と述べている(p92)


・ドイツはソビエトに侵攻し、日本は真珠湾を攻撃した・・・
 ドイツと日本が歴史上まれに見る大失策を犯さなければ、
 イギリスはヨーロッパ列強の地位を一気に失い、場合に
 よってはドイツによって国土を蹂躙されていた可能性が高い(p30)


・日本の経済は国際貿易に大きく依存していた。
 そうした国に対しての経済制裁は軍事攻撃と
 同じ意味を持つのである。
 見かけ上は軍事攻撃ほどドラマチックではないが、
 それは挑発であり、激しい反発は免れない(p113)


・アメリカ世論は、ルーズベルトが心にもないことを
 言わざるを得ないほどに、ヨーロッパの戦争に
 巻き込まれることを嫌っていたのである・・・
 イギリス・フランス側に立って対ドイツ戦に参戦すべし
 と主張する者はわずかに2.5%(p158)


【私の評価】★★★☆☆(72点)

■目次

序章 日米開戦のプロセスを検証する
1章 真珠湾攻撃とは何だったのか
2章 日本の侵略とアメリカの反応―一九三七‐一九四一年
3章 日本の判断の基礎となった仮定
4章 日本の決断
5章 失敗したルーズベルトの日本牽制
6章 経済的な締めつけの代償
終章 汲みとるべき七つの教訓


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