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「大前研一 洞察力の原点」大前研一

2014/03/26公開 更新
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大前研一 洞察力の原点


【私の評価】★★★☆☆(76点)


要約と感想レビュー

 大前研一さんのツイッター名言集です。前半は、プロのコンサルタントらしい仕事のお話。大前さんは、与えられた仕事は、文句をつけたり拒んだりするべきではなく、すべてはチャンスと思ってやってきたのだという。いやな仕事をやるのだから、自分は必ずノウハウを手にしてやる、と心に決めて取りかかっていたというのです。


 後半は、生き方となっています。大前さんの生き方は、自分に経験がないというときに、そこを避けて通るのではなく、「とりあえず入ってみよう。何かあるかもしれない」と考えながら、課題を突破してきたという。「いつ独立しても勝負できる」というプロ意識を感じました。


・「自分はこれで勝負できる」というものを、一つ決めておくこと。分野はなんだっていい(p43)


 大前さんはコンサルタントを辞めて、「平成維新の会」で国政を目指しますが、うまくいきませんでした。これは明確な挫折でしょうが、「それもまたよし」といった感覚に潔さを感じました。


 今は政治は捨てて、自分の強みを生かすビジネスマンの教育に注力されています。大前さんは自分でも言うように、「もったいない」と思わずにオールクリアボタンを押してきたのだと思いました。「もったいない」と思ったら負けであるというのが、大前流なのです。


・日本全体のこととか・・一生懸命考えてきたけれど、下町の風景のなかでおじいちゃん、おばあちゃんと世間話ができない。日本改造から自分はスタートしたが、まずは自分の改造が先だということに気がついたのだった(p63)


 この本を読みながら、「大前研一さんでさえ、挫折を味わったんだな」と不思議な気持ちになりました。いわんや自分ならもっと挫折が多くてもいいのかもしれません。その挫折で折れてしまうか、その挫折をプラスに変換できるかが大事なのでしょう。


 大前さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・経営には「カンニングもあり」・・・同じ答えを出しても、それを一番うまく実行した者だけが勝つのである(p24)


・英米のアングロサクソン系や北欧の人々は、「What's If~?(もし~だったらどうするのか?)」という仮定法による論理的な応答が、日常の会話にも頻繁に出てくる。(p113)


・先端的な業界や会社の現場を自分の目で見て、そこからヒントを得ることが重要なのである。逆に言えば、自分の会社と自分の業界にしか関心がない人は「現場力」を喪失し、時代から取り残されてしまうのだ(p116)


・問題を内在させないで表面化させ、すぐに解決する。サラサラ流れるような仕掛けをつくって、「解決しないことが悪である」というカルチャーをつくる。そして問題解決に貢献した人は周囲の尊敬を得て、リーダーになっていく。すると、会社のなかに無数のリーダーが生まれてくる(p169)


・私が息子たちに強調したのは、「自分に対する責任、家族に対する責任、社会に対する責任、日本人として日本という国に対する責任・・この四つの責任だけはつねに自覚していろ。あとは自分の好きなことをやれ、自分の人生は自分で決めろ」ということだ(p257)


・いまのカリキュラムは、西欧貴族教育の基礎となっているギリシャ時代と江戸時代の寺子屋によるエリート教育方式の交配から生まれたアカデミズム優先の思想が基本となっている。生活の知恵とか現代を生きる最低線の知識、などという考え方がこの根底にはほどんとない(p248)


▼引用は下記の書籍からです。
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【私の評価】★★★☆☆(76点)


目次

第1章 答えのない時代に必要なこと
第2章 基本的態度
第3章 禁句
第4章 考える
第5章 対話する
第6章 結論を出す
第7章 戦略を立てる
第8章 統率する
第9章 構想を描く
第10章 突破する
第11章 時代を読む
第12章 新大陸を歩く
第13章 日本人へ



著者経歴

 大前 研一(おおまえ けんいち)・・・1943年生まれ。経営コンサルタント。マサチューセッツ工科大学博士。日立製作所、マッキンゼー日本支社長を経て、1992年に「平成維新の会」を設立。1994年マッキンゼーを退職し、「一新塾」「アタッカーズ・ビジネス・スクール」を設立。現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長、韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授、高麗大学名誉客員教授、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役会長、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授、スタンフォード大学経営大学院客員教授等を務める。


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