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「レベル7福島原発事故、隠された真実」東京新聞原発事故取材班

(2013年4月 4日)|本のソムリエ メルマガ登録
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レベル7 福島原発事故、隠された真実


【私の評価】★★★★☆(86点)


内容と感想

■3月11日の福島第一原発事故を
 振り返る一冊です。


 小説的な物語にまとめられたもので、
 これまで読んだものの中では、もっとも
 わかりやすい一冊ではないでしょうか。


 当時現場では何がわかって、
 何がわからなかったのか。


 現場がどう判断して、
 どう動いたのか。


 東電の社員は、できる範囲で、
 よくやったと言えるのでしょう。


・IC(非常用復水器)は水の補給がなくても六~十時間は動かせる。破損を恐れるより、とにかく稼働させることが大事だったが、運転員にその理解はない。いずれにせよICは非常用バッテリーが起動しなかった時点で、四つある弁は四つともほぼ閉じている(p36)


■この本の特徴は、
 従来あまり出なかった現場の作業員の
 被曝の状況が定量的に書いてあることです。


 当時中央制御室にいた東電社員は、
 500ミリシーベルトを超える被曝をしています。


 これは外部被曝ではなく、内部被曝であり、
 かなり危険な数値だと思います。


 また、汚染された水で足を被曝した作業員は
 200ミリシーベルト弱の被曝でした。


・3号機の爆発後も、3,4号機の中央制御室では、運転員が懸命の作業を続けていた。放射線量が高いため・・・六人の運転員らが308~678ミリシーベルトの被曝をする。・・・うち二人は、外部被曝よりさらに危険だとされる内部(体内)被曝が500ミリシーベルト超に達していた(p103)


■当時を思い出して、
 気持ちが悪くなってきました。


 難しい報告書の多いなか、
 わかりやすい本書は貴重だと思います。
 ★4つとしました。


この本で私が共感した名言

・原発で働いて四十年になる。八年ほど前、東電社員との懇親会で「五メートル以上の津波が来たらどうするのですか」と尋ねたことがある。「そんな津波は来ません」と言われたが、まさにその津波で、家々がやられていた(p15)


・東北電力から福島第一原発に最初の電源車一台が到着したのは午後九時すぎだった。・・・敷地内はがれきが散乱し、電源車は各号機へ容易に近づけない。ケーブルの接続先となる各号機の電源盤も津波で破損し1,3号機はすべて使用できない(p41)


・1号機の原子炉建屋内は放射線量が上昇し、ほかならぬ吉田が「入域禁止」を命じている。だが、被曝覚悟で作業をしなくては、今そこにある危機は回避できない。東電はこれまで手動でのベントを想定しておらず、運転員たちはそのための訓練を受けたことがなかった(p51)


・「決死隊」として原子炉建屋に入った当直長職の五十代社員は、作業で106ミリシーベルトの被曝をする。頭痛や熱っぽさを訴え、この日夜、五キロ離れたオフサイトセンターで診察を受けた。見るからに疲れ切っていた。だが、診察が終わると、・・福島第一原発へと戻っていく。(p64)


・原子炉建屋には水素を外に出すシステムがあったが、電源喪失で機能を失っていた。建屋内に水蒸気が充満して圧力が高まると、自動的に壁の大きなパネルが外れる仕組みもあるが、簡単に外れないようにしていた・・・新潟県中越沖地震の際、柏崎刈羽原発で建屋内の圧力が高まったわけでもないのにパネルが外れた反省から、あえて外れにくくしたことが仇となる(p92)


・足元に深さ十五センチの溜まり水があった。高濃度の放射性物質に汚染された水。・・・短靴の二人は全身に約180ミリシーベルト、長靴の一人も173ミリシーベルトの外部被曝をしていた・・・短靴の二人は足に放射性物質が付着し、466ミリシーベルトの局所被曝もしていた(p128)


・米国は原子力の専門家を大量に日本に送り込んだ。三月十五日までにエネルギー省から34人、同十六日までに原子力規制委員会(NRC)から11人が相次いで来日。海兵隊からは・・(CBIRF)の約150人が派遣される(p129)


・東電は、2008年に島崎説をもとにした試算に取り組んでいた。原子力安全委員会が06年に改定した原発の耐震設計指針に、初めて津波対策が盛り込まれたことを受けた動きだった・・・福島沖を震源に、明治三陸沖地震と同様のメカニズムで同じ規模の地震が起きたと仮定して試算する。津波の高さは原発付近で最大15.7メートル。(p179)


・付属の解説には「長時間にわたる電源喪失は、送電系統や非常用DG(ディーゼル発電機)の修復が期待できるので考慮する必要はない」と明記されていた。ほかの部分はすべて「~であること」などと義務的に書かれている。その中で、異彩を放つ表現である。(p184)


・報告書や後に開示された議事録を見ると、日本の技術への過信が浮かぶ。報告書によると、米国の原子力規制委員会(NRC)のデータでは、68~85年までの17年間に、外部電源喪失事故が64件も起きた・・・一方、日本では88年までに4件しか外部電源の喪失事故がない・・(p187)


・「少し懸念があるのは、どこまでも仮想的に被害の大きさをどんどん大きくしていくことです。ほとんど確率はゼロに近く、人間の力では対応できないようなものまで想定していくことはあってはならない」この日の会議で、小委委員長で東大名誉教授の宮健三(71)はこう述べている。(p215)


▼引用は下記の書籍からです。

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【私の評価】★★★★☆(86点)



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目次

第一部 福島原発の一週間
第二部 汚染水との闘い
第三部 想定外への分岐点
第四部 「国策」推進の陰で
第五部 安全神話の源流
第六部 X年の廃炉


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「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日」門田 隆将
「原発再稼働「最後の条件」:「福島第一」事故検証プロジェクト最終報告書」 大前 研一
「原発と大津波 警告を葬った人々」添田 孝史
「FUKUSHIMAレポート~原発事故の本質~」
「ザ・原発所長(上・下)」黒木 亮


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