「帝王学ノート―混沌の時代を生き抜く」伊藤 肇
2013/03/26公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(74点)
要約と感想レビュー
■伊藤 肇(はじめ)さんとは、戦後、
満州から引き揚げ、新聞記者から雑誌「財界」
編集長を経て、評論家となった方です。
安岡正篤(まさひろ)先生や
大企業経営者との交流があり、
経営者としての生き方を説いています。
昔の日本の経営者はMBAではなく、
古典を読んだのですね。
・たいていのことは古典のなかにある。何千年も経っているのに、人間そのものの根本はたいして変わっていないということです。(安岡)(p22)
■経営者ともなれば、
経営手腕だけでなく、
人事の手腕も問われます。
もっとも重要な人事は、
後継者の選別と自分の引退、
引き際の時期でしょう。
いつの時代も、地位にしがみつき
死ぬまで居座る人がいるからこそ、
引き際が肝心と言われるのでしょう。
・上へ進む時には、自分で一切策動をしない・・・また、退く時は、人に相談したら、「辞めるな」というにきまっている。あくまでも自分で決断して、自分で辞めなければならない(p11)
■私と同じで引用で勝負をしている人だと
思いました。
引用だけでも極めればなんとかなる!
自力には限界がありますから、
ある程度努力したら他力を
利用することが大事なのでしょう。
伊藤さん、
良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・言葉は八分にとどめて、あと二分は、むこうで考えさすがよい。わかる者にはいわずともわかる。わからぬ者には、いくらいってもわからない(p70)
・おい、紙幣と金貨とはどう違うかしっているか・・・紙幣の千円は日本国内でしか通用しないが、金貨であれば、世界中同じ千円の価値で通る。この金貨のように、どこでも通用する人間になれ、ということだ(p96)
・企業の老化現象とは何か。トップが現状を肯定し、「これでいいんだ」と思った時が、老化のはじまりである。具体的には安定製品にのみ力を入れはじめた時だ(p232)
・宰相をきめる五つの基準・・・浪人をしているときに、どんな連中とつきあっていたか・・・金をもったとき、それを何に使ったか・・・・高位高官にのぼったとき、どんな人物を挙用するか・・・・困窮しても、やってはならぬことは断乎としてやらない・・・貧して貪(どん)せざる人物であるか、どうか(p25)
・会社でも商社でも、これに携わる人々が道義を顧みなくなったら、いかなる大企業でも必ず没落する、ということは、既に幾多の事例が示している(p78)
・スイスの『アミエルの日記』から、先生が特に抜かれたものである。
心が変われば、態度が変わる。
態度が変われば、習慣が変わる。
習慣が変われば、人格が変わる。
人格が変われば、人生が変わる。(p205)
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【私の評価】★★★☆☆(74点)
目次
雄の章(語録の効用、絵もまた人なり ほか)
魅の章(木落チ、水尽キ、千崖枯ル、鴎外も筆のあやまり ほか)
師の章(利益は目的か、ウーマン・ビハインド ほか)
訓の章(ヘソで「の」の字を、本を貸すについて ほか)
流の章(喧嘩子路、孔子と子路 ほか)
戒の章(男と女の魅力とは、感動する心 ほか)
徳の章(人生、歌にあり、経営のハングリー精神 ほか)
著者経歴
伊藤肇(いとう はじめ)・・・1926年名古屋生まれ。旧満州国立建国大学七期生。中部経済新聞記者。雑誌『財界』副主幹を経て評論家となる。1980年逝去。
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