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「現代の帝王学」伊藤肇

2002/10/12公開 更新
本のソムリエ
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【私の評価】★★★★★(90点)


要約と感想レビュー

「原理原則を教えてもらう師をもつこと」
「直言してくれる側近をもつこと」
「よき幕賓をもつこと」


●これらは、伊藤さんが考える
 帝王学の三つの柱です。


 いずれも、人との出会いに
 関係しています。


 中国の古典「貞観政要」の内容に
 近いものだと感じました。


●多くの名言と、具体的なエピソードを織り交ぜ、
 結局は人間、人との出会いが大切なのだと
 教えてくれる一冊です。


 名言を集めるだけで本が作れるんだ・・・
 と気づいた一冊でした。


 自分のアイデアでなくとも
 他の人の良い言葉を集めれば
 それだけでも役立つのですね。


この本で私が共感した名言

・ある社会の最も確実な相違はエリートの相違である。その社会がいかなるエリートを持っているか、そのエリートがどういう実質を持っているかによってきまる(ジェイムス・バーナム)(p4)


・黙って相対しただけで<この人物はできている>とか<どうも軽薄な感じだ>ということは大体わかるものである。まして、ものをいう段になると、できた人物の言葉には味があるし、反対にダメ人間の表現はコクがなくてしまらない(p15)


・小人は窮すると、自暴自棄に陥り、いい加減なことをやるが、君子は泰然自若として己を失わない。そこが違うだけだ(孔子)


・安岡正篤・・・『世界の旅』・・・驚愕というのは、あのナチス全盛時代に堂々とヒトラーやムッソリーニを批判していることだった(p101)


・「行為する者にとって、行為せざる者は、最も過酷な批判者である」という箴言がある(p108)


・何でも良い。一つの仕事に精進しなさい。「これなら、あの人に頼もう」と他人が思うようになればおう人格ができあがっている(清水雅)


・部下をかわいがって勢力を伸ばそうと考えるのは間違っている。部下に対して厳格であってこそ、むしろ、部下はついてくる(市村清)(p149)



【私の評価】★★★★★(90点)


目次

第1章 原理原則を教えてもらう師をもつこと
第2章 直言してくれる側近をもつこと
第3章 よき幕賓をもつこと


著者経歴

 伊藤肇(いとう はじめ)・・・1926年名古屋生まれ。旧満州国立建国大学七期生。中部経済新聞記者。雑誌『財界』副主幹を経て評論家となる。1980年逝去。


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