【書評】「人間学―人生の原則行動の原理 」伊藤 肇
2012/07/07公開 更新
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【私の評価】★★★★☆(85点)
要約と感想レビュー
要人のエピソードを紹介
著者は、雑誌「財界」の元編集長から評論家となった人です。したがって、この本でいう人間とは、経営者のこと。経営者向けの講演会の内容をまとめたものとなっています。
経営者に求められるものは、見識であり、人格であり、後継者の育成でしょう。この本では、将来の仕事を心に描くと、ぞくぞくするような感覚が体を走りぬける時間もつことが大切と書いています。
著者にできることは、多くの要人のエピソードを紹介することです。したがって、多量の引用から経営者のあるべき姿を解説するものとなっています。
五代友厚が親友、大隈重信に、その短所五カ条を忠告した手紙・・「愚説」「愚論」に我慢して耳を傾けられたい。・・自己と同地位でない者の意見が閣下の意見と大同小異の場合には、常にその者の意見を賞めて、それを採用されよ・・・怒気、怒声を慎まれよ(p196)
書くとは自分を書くこと
こうした引用をならべるだけでも、実際には著者の本質があらわれてきます。編集という行為自体が、その編集者の考え方を示してしまうのです。このメルマガも同じことですね。
この本では安岡正篤の言葉を紹介し、「人物論」というのは人物を評論しながら、結局は自分を書くことになるとしています。つまり、それを書いた人物の人間としての尺度がわかってしまうということです。
古い本でしたが、思いのほか多くの事例が参考になると思います。
自分も自分の人生の経営者と思えば、また別の意味でも参考とするべきところがあるのだと思います。
伊藤さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・人間を変えるような学問でなければ、本当の学問ではない。そして、その人間とは他人のことではなく自分のことである。他人を変えようと思ったら、まず自分を変えることである(p14)
・本を読んで考えた人間と全く読書の習慣のない者とではあきらかに顔がちがう(p38)
・自らのための「人生ノート」・・・高橋是清は毎日、「ロンドン・タイムズ」や「ニューヨーク・タイムズ」を克明に読み、必要な記事はノートに丹念に「筆写」した(p87)
・玉葱というものは、八百屋の店先で見ると、外側が赤茶けて、泥がついている。ところが・・・社長の私のところへくる玉葱は、中の芯だけの小さなものになってくる。それを『玉葱でございます』といわれて、まるまる信じていたら、とんでもないことになる。(リコー前社長の館林三喜男)(p210)
・宰相をきめる五つの物語・・・いかなる連中とつき合っていたか・・・金を何に使ったか・・・いかなる人物を登用し、いかなる本を推せんしたか・・困窮した時にいかなる態度をとったか・・・貧乏に対する処しかた(p224)
・定年の必要は実際のところ、年老いたということではない。主な理由は『若者たちに道をあけなければならない』・・でなければ若者たちは就職もできなければ定着もしない(P・F・ドラッカー)(p133)
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【私の評価】★★★★☆(85点)
著者経歴
伊藤肇(いとう はじめ)・・・1926年名古屋生まれ。旧満州国立建国大学七期生。中部経済新聞記者。雑誌『財界』副主幹を経て評論家となる。1980年逝去。
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