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「自分の小さな「箱」から脱出する方法 ビジネス篇 管理しない会社がうまくいくワケ」アービンジャー・インスティチュート

2024/01/26公開 更新
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「自分の小さな「箱」から脱出する方法 ビジネス篇 管理しない会社がうまくいくワケ」アービンジャー・インスティチュート


【私の評価】★★★★☆(88点)


要約と感想レビュー

外向き思考(The outward mindset)とは

アービンジャー・インスティチュートの「」の話はわかりにくかったのですが、今回の外向き思考(The outward mindset)はとてもわかりやすい内容です。外向き思考とは、まわりの人を"人"として理解し、まわりの人のために貢献しようという姿勢のことです。反対に、内向き思考とはまわりの人ではなく、自分のために役立ってくれる"物"として見る思考です。


例えば、個人の仕事の成果によって業績評価される場合、多くの場合、会社全体より自分の部署や自分個人の業績にこだわるあまり、部分最適な行動を選択してしまう人が増えてきます。業績の悪かった時代のフォードでは、CEOに良いことしか報告されず、会社が改善すべきことが見えなくなっていたというのです。CEOの取り巻きが内向き志向であったため、悪いことを報告すると、自分の評価が下がるのではないかと恐れていたのです。


営業部門と製造部門が対立しているときも、自分の部門の正当性を主張するのが内向き志向で、どうすれば相手の部署に貢献できるか考えるのが外向き思考なのです。そのためには、先に一方の部門が、相手の部門のために動けるのかであり、リーダー次第なのでしょう。


外向き思考への変化で最も重要なのは、相手にとってほしい行動を、先に自分がとることなのだ(p145)

内向き志向とは

特に内向き志向とは、「まわりが自分に何をしてくれるか」ばかりに意識が行ってしまうことです。営業部門が商品を売ってくれない、製造部門が良い商品を作ってくれないと相手の悪いことだけを主張しても話は進まないわけです。仕事が終わった後に、「会社が悪い」「上司が悪い」と職場のグチを言い、それを自ら改善しようとしない人も、典型的な内向き思考です。


この本では外向き思考の事例として、赤字企業でコスト削減をしようとしたとき、自分がリストラされないように考える(内向き思考)のではなく、他の部門の予算や人員を残すために、自分にできることを見つけようとした事例を紹介しています。「自分の利害」を離れると、内向き思考のときには思いもつかなかった選択肢が浮かんでくるのです。


業績を上向きにできる人間・・部下や従業員の本当の能力や手腕を見抜けるだけの謙虚さを持った人(p22)

相手の自己重要感を高めてあげる

自分の自己重要感を高めようとするのではなく、相手の自己重要感を高めてあげようという話と似ていると思いました。また、交流会で自分の新しい人脈や見込客を探そうとするのではなく、自分は相手に何が貢献できるのか、お手伝いできることはないか考えている人がうまくいくのとも似ていると思いました。


自分の利益を考えているときには利益が出ず、自分の利益を考えていないときに自分の利益が出るというのが、世の中の本質なのです。アービンジャー・インスティチュートさん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・理想の上司・・彼らがあなたを見る態度や、あなたとのつきあい方から、あなたは「自分は価値のある人間だ」と感じることができる(p2)


・パーティに出かける・・相手のことを知ろうと努める・・もっとあなたの話を聞かせて(p127)


・「考える人」と「やる人」を区別しない・・子どもたちも・・家事の分担をどうすればよいか、みんなで考えて答えを出そうとした(p182)


▼引用は、この本からです
「自分の小さな「箱」から脱出する方法 ビジネス篇 管理しない会社がうまくいくワケ」アービンジャー・インスティチュート
アービンジャー・インスティチュート、大和書房


【私の評価】★★★★☆(88点)


目次

第1部 仕事ができるチームの秘密
第2部 落とし穴はどこにあるのか?
第3部 外向き思考へ一歩踏み出す
第4部 マインドセットを変える



著者経歴

アービンジャー・インスティチュート (The Arbinger Institute)・・・トレーニング、コンサルティング、コーチングといったサービスを提供。また、個人および組織のマインドセットに変化を起こし、イノベーションを推し進め、対立を解決し、継続的に成果を向上させるためのデジタルツールの提供も行なっている。2000年に刊行された著書『Leadership and Self Deception』(『自分の小さな「箱」から脱出する方法』2006年、大和書房)がヒットし、現在30以上の言語に翻訳されている。2016年には、本書『The Outward Mindset』を刊行し、個人、チーム、組織を内向き思考から外向き思考へと変化させるための方法を詳細に紹介している。


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