「死因不明社会―Aiが拓く新しい医療」海堂 尊

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死因不明社会―Aiが拓く新しい医療 (ブルーバックス)

【私の評価】★★★☆☆(79点)


■日本における検死の問題を指摘した一冊です。


 私の日本の医療のイメージは、
 非常に進んだものと考えていましたが、
 死因の究明に限れば、お寒い状況のようです。


 日本における死因究明の問題点は次の2つ。
 1 解剖があまり行われない(死因究明が不十分
 2 監察医制度で死因究明しているのはたった五都市


・医師か解剖を毛嫌いする理由・・・
 (1)「解剖」は遺族の了承を取りにくい。・・
 (2)「解剖」は手間がかかる・・・
 (6)「解剖」には高額の費用がかかる・・・
 (7)「解剖」に対する費用拠出が行われていない・・(p50)


■「解剖」しなくても死因がわかる場合も
 多いと思います。


 それでも、名探偵コナンではありませんが、
 不審死が見逃されているケースも多いはず。


 著者が推奨するのは、「解剖」の替わりに、
 簡単、低コストの死亡時CT,MRIで
 死因を究明するということです。


 実際の医療現場では、蘇生継続中に
 CTやMRI撮影をしたという名目で
 実施されているようです。


・解剖は一体当たり25万円です。
 エーアイの一種、検死CTは一体あたり3万円だから、
 費用は約10分の一だね(p146)


■日本は殺人天国とも言われているそうです。
 なぜなら、死因究明が適当だから。


 著者の怒りは、
 CT,MRIが進歩してきたなかで、
 死因究明のシステムを変えようとしない
 厚生労働省の役人の不作為に向いています。


 不作為で被害の広がった薬害エイズのように
 ならないことを願います。


 海堂さん、
 良い本をありがとうございました。


━━━━━━━━━━━━━━━━━


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・「解剖」には高額の費用がかかる・・・
 病理学会の試算では一体25万円の経費がかかる・・・
 他の試算では一体50万円を算定している報告もある(p50)


・巨大な「死因究明センター」、東京都監察医務院・・・
 運営するのに必要とされる費用は年間10億円と言われている・・
 千葉県では、行政解剖に対する県予算は年間500万円(p86)


・2005年度の死者101万人のうち変死者数は約15万体
 (交通事故関係を除く)。司法解剖、行政解剖という
 変死者用の解剖で対応できたのは1万3570体。
 解剖が必須の死体に対してすら解剖率9%である(p35)


・死後映像撮影は、実に107施設(88%)で経験ありだった。
 面白いことに経験なしと答えた14施設のうち、2施設は
 わざわざCT終了まで蘇生継続と併記してきた。
 これこそ死亡時画像がシステムとして導入されていないから、
 現場でやりくりして撮像しているという証拠さ(p230)


・病理解剖  厚生労働省 強制力なし 費用拠出なし
 行政解剖1 地方自治体 強制力なし 費用拠出あり
 行政解剖2 地方自治体 強制力あり 費用拠出あり
(監察医制度)(限定五都市)
 司法解剖  警察庁   強制力あり 費用拠出あり(p69)


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