「外科医 須磨久善」海堂 尊

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外科医 須磨久善

【私の評価】★★★★☆(82点)


■胃大網動脈を使った心臓の冠状動脈バイパス手術、
 そしてバチスタ手術と、心臓外科医として
 最先端を歩いてきた須磨さんの記録です。


 革新的な手術法を手掛けてきた須磨さんは、
 他の例のごとく、日本国内では
 なかなか評価されなかったようです。


・アメリカの学会はクリエイティブなこと、
 新しい発想に対し、ポジティブに評価する。・・・
 人のやらないことをやると日本では「変なやつ」と
 評価され、それが世間に認められた後はそのアイディアに
 相乗りした人間が一番偉くなったりする。(p73)


■そして、海外から評価されると
 国内でも評価されるようになりますが、
 そこには厳しい嫉妬から海外に行くという
 お決まりのパターン。


 三井記念病院、イタリアのカトリック大学付属の
 ジェメリ総合病院と渡り歩き、徳洲会グループの
 サポートを得て湘南鎌倉総合病院、そして最後には
 心臓手術専門病院ハートセンターを作っています。


・「画期的な業績を挙げたければ鈍感になるべきです」
 相手を無視する力も重要だ、というのだ。
 そうしないと難関を乗り越え業績を挙げたあとに
 襲われる嫉妬というマイナス感情をかわしていけなくなる(p76)


■私が感じたのは、
 いかに自分のレベルを上げるのか、
 ということ。


 須磨さんは、常に一段上、二段上の人になったつもりで
 準備し、勉強していたそうです。


 企業であれば、係長、課長のつもりで
 準備、勉強して、自分ならこうすると
 イメージするということでしょうか。


・助手の下っ端や第三助手として手術に入るなら、
 術者と同じ勉強をしておく。そうやって今のステージの
 一歩先、二歩先を歩けば必ず有用な人間になれます。(p99)


■こうした最先端を切り開く日本人が、
 一人でも増えれば日本は強くなると
 思いました。


 心臓病にはなりたくないと思いながら、
 本の評価としては★4つとします。


 良い本をありがとうございました。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・できれば前夜には、
 手術がうまくいって心臓が元気に動き、
 「先生、うまくいきましたね」
 と言葉をかけられるところまで
 イメージする。(p26)


・技術の向上にゴールはない。
 今回の手術がうまくいったら、
 次回は三十分早く終わるように工夫する。
 一センチでも傷を小さくするために
 どうすればいいのか。(p42)


・本物かどうか知ることが一番大切なのです、
 と須磨は力説する。コンマ一ミリでも
 アップ・グレードするにはどうしたらいいか。
 体力トレーニングをしたり、
 山ほどの本を乱読したり、放浪したりする中で、
 一番大切なことは本物を見ることだ(p206)


・昔は家庭を顧みず暴飲暴食の毎日、
 本当にバカなことをしていた。
 散歩しながら、空を見上げるという
 平凡な毎日の幸せなんて気づきもしなかった。
 死ぬかもしれないと思ったとたん、すべてが変わった。
 もし手術が成功し、もういっぺん生きられたら、
 自分や家族を大切にして生きて行きたい。
 これが患者の心情の最大公約数だ。(p171)


▼引用は、この本からです。

外科医 須磨久善
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海堂 尊
講談社
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おすすめ度の平均: 4.0
3 「チーム・バチスタ」のリアリズム
5 現役医師、フィクション作家が書きたくなるノンフィクションの内容
4 「情熱大陸」を活字で読んでいるよう
4 破境者・須磨久善の半生
5 本当に海堂氏が執筆したと分かる。

【私の評価】★★★★☆(82点)



■著者紹介・・・海堂 尊(かいどう たける)

 1961年生まれ。
 「チーム・バチスタの栄光」で作家デビュー。
 現在も勤務医。


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