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「外科医 須磨久善」海堂 尊

2009/12/29公開 更新
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外科医 須磨久善


【私の評価】★★★★☆(82点)


要約と感想レビュー

 胃大網動脈を使った心臓の冠状動脈バイパス手術、そしてバチスタ手術と、心臓外科医として最先端を歩いてきた須磨さんの記録です。革新的な手術法を手掛けてきた須磨さんは、他の例のごとく、日本国内ではなかなか評価されなかったようです。


・アメリカの学会はクリエイティブなこと、新しい発想に対し、ポジティブに評価する。・・・人のやらないことをやると日本では「変なやつ」と評価され、それが世間に認められた後はそのアイディアに相乗りした人間が一番偉くなったりする。(p73)


 そして、海外から評価されると国内でも評価されるようになりますが、そこには厳しい嫉妬から海外に行くというお決まりのパターンです。三井記念病院、イタリアのカトリック大学付属のジェメリ総合病院と渡り歩き、徳洲会グループのサポートを得て湘南鎌倉総合病院、そして最後には心臓手術専門病院ハートセンターを作っています。


・「画期的な業績を挙げたければ鈍感になるべきです」相手を無視する力も重要だ、というのだ。そうしないと難関を乗り越え業績を挙げたあとに襲われる嫉妬というマイナス感情をかわしていけなくなる(p76)


 私が感じたのは、いかに自分のレベルを上げるのか、ということ。須磨さんは、常に一段上、二段上の人になったつもりで準備し、勉強していたそうです。企業であれば、係長、課長のつもりで準備、勉強して、自分ならこうするとイメージするということでしょうか。


・助手の下っ端や第三助手として手術に入るなら、術者と同じ勉強をしておく。そうやって今のステージの一歩先、二歩先を歩けば必ず有用な人間になれます。(p99)


 こうした最先端を切り開く日本人が、一人でも増えれば日本は強くなると思いました。心臓病にはなりたくないと思いながら、本の評価としては★4つとします。


 良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・できれば前夜には、手術がうまくいって心臓が元気に動き、「先生、うまくいきましたね」と言葉をかけられるところまでイメージする。(p26)


・技術の向上にゴールはない。今回の手術がうまくいったら、次回は三十分早く終わるように工夫する。一センチでも傷を小さくするためにどうすればいいのか。(p42)


・本物かどうか知ることが一番大切なのです、と須磨は力説する。コンマ一ミリでもアップ・グレードするにはどうしたらいいか。体力トレーニングをしたり、山ほどの本を乱読したり、放浪したりする中で、一番大切なことは本物を見ることだ(p206)


・昔は家庭を顧みず暴飲暴食の毎日、本当にバカなことをしていた。散歩しながら、空を見上げるという平凡な毎日の幸せなんて気づきもしなかった。死ぬかもしれないと思ったとたん、すべてが変わった。もし手術が成功し、もういっぺん生きられたら、自分や家族を大切にして生きて行きたい。これが患者の心情の最大公約数だ。(p171)


▼引用は、この本からです。


【私の評価】★★★★☆(82点)


目次

第1部 心臓外科医須磨久善の旅
第2部 解題バラードを歌うように
あとがき―須磨久善2011



著者経歴

 海堂 尊(かいどう たける)・・・1961(昭和36)年、千葉県生れ。医学博士。外科医、病理医を経て、現在は重粒子医科学センター・Ai情報研究推進室室長。2005(平成17)年、『チーム・バチスタの栄光』で「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、翌年、作家デビュー。2008年、『死因不明社会』で、科学ジャーナリスト賞受賞


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