「子育てはお金の教育から」邱 永漢
2011/05/24公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(95点)
要約と感想レビュー
お金持ちは、どうやって子どもを教育しているのだろう?お金の神様である邱 永漢さんに教えてもらいましょう。
邱 永漢さんは、商売人ですから、日頃の食事でのネタは、「会社が倒産したら、どうする」「株は下がったら買うもの」「私が死んだらどうなる」といった話をしているようです。
・「ね、ね、世間の人って面白いわねえ。株がこんなにあがっているでしょう。もうそろそろうらなきゃとうちじゃ、皆、思っているのに、私の友達の家に行くと、株を買う話を盛んにしているのよ」(p45)
また、子どものお小遣いは、基本的には少なめに渡す。もしお金が足りなければ、子どもは節約をするか、どこからかお金を調達するしかないわけで、そこからお金というものの大切さを知ることになるのでしょう。
ただ、どきどきお金をかけた旅行などに連れて行き、お金の良いところも体験させておくというバランスもとっているとのこと。
・お金についての知恵のつきはじめは、お小遣いをもらうことによってはじまるのではなくて、お小遣いが少なくて自分の欲しいものを買うのに足りないところからはじまる。(p111)
常に「全財産を失ったらこうする」といった危機管理がしっかりしているところが生き残る商売人の経験から出た知恵なのでしょう。
子どもの教育の本ですが、邱さんのお金の考え方がわかって大満足の一冊でした。邱さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・借金は消費のためにやってはならない(p73)
・お金で欲しいと思うものの90%はほとんど手に入れることができる、ということは、どうしてもお金で手に入らないものが10%ほどある、ということ(p16)
・戦後の大混乱で、没落し、私は、一から全部、自分でやりなおした・・・興亡、浮沈の歴史を数々、見てきているので、お金がいつどこで失ってしまうかわからないものだと信じている。・・・今でも「万一、全財産を失ったら」という発想が頭から拭い去られてしまったわけではない。(p51)
・大金持ちになった人に、「あなたはどういうことがきっかけでお金持ちになったのですか?」ときいたら、大抵は、どんなにお金に困ったか、困ったときにどうやってやりくりをしたか、という話ばかりする・・・節約は依然として成功への第一歩なのである。(p66)
・今のお金儲けは、先ず第一に人から喜ばれるようなことをやらなければ、お金儲けにならない・・・世の中の変化に少しでも乗り遅れると、たちまち振りおとされてしまう(p69)
・サラリーローンでお金を借りる人は、金利の計算のできない人である。銀行で借りれば10%以下の利息ですむのに、わざわざ72%の利息のところへ借りにいく(p78)
・お金の使い方を見ていると、その人の器がわかる(p81)
・お金を子供に残したかったら、税務署の目をごまかすよりも、子供にお金のつくり方、守り方を教えたほうが早い、ということになる。(p91)
・商売人としてやっていくためには「将来、少なくとも、日本語、英語、中国語の三つくらいは喋れるようにならないと駄目だ」と思っている(p162)
・やはり一度は「他人の飯」を食ってみるべきであろう。徴兵のなくなってしまった日本では、若者の訓練は「会社」か「他人の飯」しかないのである(p197)
・私が仕事の悩みで肩をおとしていると、父が「何事も経験です。教えてあげようと思っても、頭ぶつけてみなくちゃわからんことが沢山あるんだから」と言ってくれます。(p223)
・カトリック系の病院で出産をした・・・泣こうが、わめこうが、まったく知らん顔をしている・・・最初の一週間をこういう形でしつけると、赤ん坊はいくら泣いても無駄泣きだということがわかるから、そのうちに泣かなくなる(p107)
▼引用は下記の書籍からです。
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【私の評価】★★★★★(95点)
著者経歴
邱 永漢(きゅう えいかん)・・・実業家。1924年生まれ。東京大学経済学部卒業。台湾より香港へ亡命し、直木賞受賞作家となる。その後、株の神様、お金の神様といわれながら、事業活動を行い、現在も年間120回飛行機に乗って、東京、台北、上海を飛び回る。著作は約400冊にのぼる。
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