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「イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策」ジョン・J・ミアシャイマー、スティーヴン・M・ウォルト

2010/04/12本のソムリエ メルマガ登録
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イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策 1


【私の評価】★★★☆☆(79点)


内容と感想

 イスラエルというと、村上春樹さんがイスラエル最高の文学賞「エルサレム賞」を受賞し、その授賞式でイスラエルのパレスチナ人弾圧を批判したことが思い出されます。


 この本を読むと、イスラエルを向こうにして、村上さんは良く言ったものだと感心してしまいます。モサドの工作が不十分だったのか、村上さんがそのようなことを言う人だとは、思わなかったのでしょうか。


・パレスチナ人のテロ活動は、終ることのないイスラエルによるヨルダン川西岸とガザ地区の植民地化への対抗として行われる・・・イスラエルはその後の四十年を費やして、入植地、道路網、軍事基地建設によって植民地化を行った。一方この侵略行為へのパレスチナ人の抵抗をイスラエルは無慈悲に弾圧している(p121)


 イスラエルは米国の全面的な支援により、いくつかの戦争を勝ち抜き、今も存在しています。この本では、いかにイスラエルが米国からの支援を獲得し、それを維持しているのか検証しています。イスラエルは好ましくない政治家を落選させ、好ましい記事を書かせることで、米国内での政治力を維持しているとのこと。


・利益団体は選挙戦への寄付金を好ましい候補へ向けることができ、見解のあやしい候補を落選させることができる・・・共感してくれるジャーナリストを育てること、書籍、記事、論説を書くこと、そして異なる見解を持つ人間の信用を失わせ、端に追いやる(p252)


 これをロビー活動というのでしょう。日本もこうしたロビー活動を少しはやったほうが、いいのではないかと感じました。


 そういえば、外務省のラスプーチンこと佐藤勝さんは、イスラエルで開かれた学会への代表団派遣費用を不正支出などで背任罪に問われています。こうしたところにイスラエルが出てくるのは、何か諜報活動と関係があるのでしょうか。外交とは言葉の戦争であると言われるだけあって裏には怖い世界がありそうです。


・われわれ諜報部門で働いていた者は、イスラエルを米国内で二番目に活発に活動している外国諜報機関であると長年見なしている(元司法省国内治安部門長ジョン・デイヴィット)(p143)


 とりあえず「イスラエル・ロビー2」も読んでみます。イスラエルとは何なのか、少しだけ分かるかもしれないからです。よい本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・下院議員のうちおよそ半分、250から三百人の下院議員たちは、AIPAC(米国イスラエル広報委員会)が望むことなら何でもやる人々である(マイケル・マッシング)(上p32)


・イスラエルが米国の経済援助受給国の中で、援助金の使途を説明する必要のない唯一の国である(上p59)


・ユダヤ人がヨーロッパでしばしば被害者になってきたことに疑問の余地はない。しかし二十世紀の中東では、ユダヤ人がしばしば加害者になってきた。(上p148)


・CNNのある役員は次のように述べた。「報道が反イスラエル的だという苦情のメールが一日に六千通も私の許に寄せられることがあると・・各紙は中東報道が原因でボイコット運動に晒されたことがある(上p314)


・停戦間近であると知って、イスラエル軍は第二次レバノン戦争の最後の三日間に百万発を超える小型爆弾をレバノン南部に発射した。この地区には65万人の人々が住んでいた。・・・この地区をクラスター爆弾で「溢れさせる」(下p235)


・<イスラエル・ロビー>の影響力によって、米国はイラクでの悲惨な戦争を戦う羽目になり、シリアやイランと交渉することができない状態に陥っている(下p258)


イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策 1
ジョン・J・ミアシャイマー スティーヴン・M・ウォルト
講談社
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【私の評価】★★★☆☆(79点)



著者紹介

 ジョン・J・ミアシャイマー(John Joseph Mearsheimer)・・・1947年生まれ。シカゴ大学教授。米中衝突を余点し、イラク侵攻を非難。


 スティーヴン・M・ウォルト(Stephen Martin Walt)・・・1955年生まれ。ハーヴァド大学大学院教授。米国のイラク侵攻を非難。


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