「こうすれば必ず人は動く」デール・カーネギー
2010/04/11公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(81点)
要約と感想レビュー
人と議論しない
不朽の名著「人を動かす」の内容を実践した人へのインタビューを中心に、解説してくれる一冊です。論理よりも具体例があるので、自然と入っていける一冊だと思います。
特に、人と議論しない、相手の間違いを指摘しない、相手のプライドを傷つけないということを強調しているところが印象的でした。例えば、リンカーンやベンジャミン・フランクリンといった偉人も、実は若い頃は自分の能力をひけらかす嫌なヤツだったのです。彼らは、他人を馬鹿にすることによる失敗を反省し、相手を尊重する人間となることで成功し、歴史に名を残したのです。
厳しい非難や断罪というものは、全く無益なものだということを、私はね、ずいぶん昔に知ったのだ。(リンカーン)(p24)
相手の間違いを指摘しない
この本では、他人に対する最も重要なルールとして、決して相手が間違っているとは言わない、ということを推奨しています。仮に相手が間違っていることを指摘しても、相手はそれを受け取る可能性は低いし、それが正しければ正しいほど、相手を怒らせ、敵を作るだけなのです。
相手が間違っていたとしても相手を尊重するということは、日本では当たり前の感覚なのですが、ディベートの国、アメリカでは、実は画期的な考え方なのかもしれません。
相手を敵に回して口論し、反駁すれば、時には勝利を得ることもあるだろう。だがそれは、空しい勝利だ。相手の好意を失ってしまうからである。(p80)
相手のプライドを傷つけない
日本では「はっきり自分の意見を言ったほうがいい」という議論がなされ、アメリカでは「あまりはっきり言わないほうがいい」というのですから、その中間に適切なところがくるのでしょう。
"能力"を"脳力"と翻訳しているのは余計でしたが、内容は良いと思います。カーネギーさん、よい本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・人のあら捜しをするのはやめましょう。自分の思いどおりに人を変えようとするのはやめましょう。人を変えようとするなら、まず自分自身を変えることから始めるべきです。(p61)
・人間性の最も深い部分にある衝動、それは自分が重要な人物であるという認識を得たいという欲求である(p200)
・いいかね、ベン(ジャミン・フランクリン)、君はなかなか頭がいい。でも君は、いかにも知ったかぶりをしているような印象を人に与えているが、それには気がついているかな・・・君はそのやり方を変えなければ、友人にも恵まれず、人生うまく行かないことが多くなるぞ(p79)
【私の評価】★★★★☆(81点)
目次
第1章 人を非難する前にしておくべき心の手続き
第2章 あたり前のことをして成功する方法
第3章 誰もあなたには関心がない
第4章 愚かなことで人を動かせば、破滅しかない
第5章 年齢は付加価値である――とればとるほど価値は増す
第6章 空しい勝利には挑むな――議論に勝ってすべてを失うこともある
第7章 小が大に勝つ――敵対者を味方につける効果的な方法
第8章 ホワイトハウス・ギャングの教え――相手の波長に合わせて相手を支配する
第9章 友、遠方よりわざわざ来たる――ちょっとした方法が強力な磁石となって奇跡を生む
第10章 成功に占める「知識」の割合は15パーセントに過ぎない
第11章 相手の損害を教えて、相手からお払い箱になる法
第12章 人に自信と勇気を与えて奇跡を起こす
第13章 過酷な状況でも人は必ず立ち直る
第14章 事業を飛躍的に伸ばす魔法のようなノウハウ
第15章 難しい環境下で、人にあなたの望むことをさせる方法
第16章 凶悪な人間の心をも動かす驚くべき力
第17章 人生におけるあらゆる目標を達成できる方法
第18章 他人に言いにくいことを言いやすく転化する方法
第19章 自らの意思に反して納得させられた人の意見は全く変わらない
第20章 50万人の名前を記憶した男を直撃する
第21章 協力とエンスージアズム(熱意)を勝ち取る法
第22章 人はなぜ好かれ、なぜ嫌われ、なぜ蔑まれるのか
第23章 人扱いで悩む人への福音――無理難題はこうして乗り越える
著者経歴
デール・カーネギー・・・1888年、米国ミズーリ州の農家に生まれ州立学芸大学卒業後、雑誌記者、俳優、セールスパーソンなど雑多な職業を経て、YMCA弁論術担当となり、やがてD・カーネギー研究所を設立。人間関係の先覚者として名声を博す。1936年に『How To Win Friend and Influence People(邦題:人を動かす)』を出版するや、一躍全米でベストセラーとなった。『人を動かす』は、今なお、世界中で読み継がれ、日本でも非常に評価が高く、また人気のある作品である。
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先日ブログでコメントを頂戴しました、觀音寺です。
私のD・カーネギーの書籍を読んだことがあります。
ウィットに富んだ話し方と例話の多さに驚きました。いつも耳を澄ませて例話を探しておられるのでしょう。
忠告するにも、まず「ほめる」ことを忘れないという原則を気付かされました。