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「悪の論理"で世界は動く!~地政学--日本属国化を狙う中国、捨てる米国」奥山 真司

2010/03/27公開 更新
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【私の評価】★★★☆☆(72点)


要約と感想レビュー

 「地政学」について教えてくれる一冊です。「地政学」とは、国家の戦略思考とでも言うものでしょう。


 アメリカは自由経済、民主主義を輸出し、米ドルを基軸通貨として市場を広げていく。


 中国は、経済発展を利用して、台湾を取りこみ、太平洋西側を押さえていくということです。その先には、沖縄があり、アメリカの軍事基地がそこを押さえています。


・仮に中国が本気で(沖縄の)独立を画策するとしたら、第一弾として、沖縄の企業や土地などに投資してくるだろう。次に、中国系の資本を進出させ、経済を握る。すると、中国人がたくさん定住する・・・(p130)


 それに対して日本は、これまでどおり日米同盟を維持していくのか。


 それともアメリカの軍事基地を日本から排除して、中国の属国として生きていくのか、それとも軍事的にも政治的にも独立を目指していくのか、それが国家戦略なのでしょう。


 日本ではあまり地政学について語る人が少ないので、入門書としてよろしいのではないでしょうか。奥山さん、よい本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・中国は単に、企業による純粋な経営戦略のために日本企業を買収しているのではない。その背景には、国家戦略として「日本のすぐれた技術を手に入れる」という「トップ・ダウン方式」の意図がある(p81)


民主党は外国人参政権の導入にも意欲的である。戦略的な視点で見ると、実は中国にとって非常に都合のよい、そして日本にとっては沖縄を失う可能性がきわめて高い、非常に危険な政策だということが一発でわかる(p142)


・アシモに銃を持たせたら「ターミネーター」が完成してしまう。(p70)


・この漁船は軍事訓練を積んだ戦闘員が乗船し、武器を隠し持って軍事作戦を行っている「海上民兵」という中国のゲリラ部隊で、漁船を装いながら近づいて人を送り込み、さまざまな非正規活動をしている部隊である(p138)


・主なチョーク・ポイント・・・本当にコントロールしなければならない決定的に重要なものは、パナマ運河、スエズ運河、マラッカ海峡など、ほんの二、三か所しかない。(p104)



【私の評価】★★★☆☆(72点)



著者経歴

 奥山 真司(おくやま まさし)・・・1972年生まれ。地政学者。 カナダ・ブリティッシュ・コロンビア大学(BA)卒業後、 英国レディング大学で修士号(MA)を取得。英国レディング大学大学院戦略学科で修士号及び博士号(2011年)を取得。コリン・グレイに師事した。国際地政学研究所上級研究員。


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