【書評】「一歩を越える勇気」栗城 史多
2010/03/26公開 更新
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【私の評価】★★★★★(90点)
■一度、アホ会で講演を聞いたことのある
 世界一のアホ・アルピニスト栗城さんの一冊です。
 (講演では大笑いの連続でした♪)
 六大陸の最高峰に単独・無酸素登頂し、
 残るはヒマラヤ、エベレストのみとなっています。
・ヒマラヤはいつも、
 人間の小ささを教えてくれる。(p99)
■初の海外旅行が、
 マッキンリー単独・無酸素登頂という
 アホさかげんですが、
 無事成功させています。
 しかし、実際には
 「死」と隣り合わせだったようです。
・父はこの計画に賛成も反対もしなかった・・・
 僕が空港から飛び立つ直前に電話をくれた。
 「おまえを信じているからな」
 たった一言だった。電話の後、
 僕は父の言葉で初めて泣いた。(p38)
■私が驚いたのは、単独登山というのは、
 荷物を二回三回と分けて
 何度も登り下りするということ。
 ということはチームよりも
 二倍から三倍の高度を上がっていくことが
 必要となるのです。
 さらに無酸素ですから、
 体力の回復が難しく、
 いかに困難な条件かわかりました。
・単独登山・・・合計65キロの荷物を二回三回に分けて、
 登っては下り、次の荷物を持ってまた登って下りるということを
 繰り返しながら、徐々に体を高度に慣らすのである(p36)
■ある道を極めた人は、同じことを言うと
 感じることがありますが、
 栗城さんにも感じました。
 限界まで努力したものだけが言える、
 無我の境地といえるものでしょうか。
・「自分の力で登り、夢をかなえるぞ」という強い思いには、
 必ず限界がやってくる。山頂に着くか着かないかは、
 山の神様にお任せしますというぐらいがちょうどいい(p146)
■もっと登山中の写真があると、
 その過酷さと晴天時の景色の素晴らしさが
 もっと伝わるのではないかと感じました。
 しかし、★5つの評価しかありえません。
 栗城さん、よい本をありがとうございました。
━━━━━━━━━━━
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・山に行っても行かなくても、いずれ人には、必ず死が訪れる・・・
 むしろ、「死」と隣り合わせになることで、「生」を感じ、
 生きていることへの感謝の気持ちが出てくるのだ(p57)
・「ありがとう」
 なぜ、ありがとうと口にしたのかわからない。
 ただそのほうが、力が出たのだ。(p102)
・夢や目標を口にすることによって、
 まわりに伝わって共鳴する。
 そうすると支援してくれる人や、
 そのとき自分が必要とする人が必ず現れてくるのだ。(p116)
・「応援してあげたいけどごめんね」と断られる。
 ・・・そこで必ず言う言葉がある。
 「では、お友達を紹介してください」(p128)
【私の評価】★★★★★(90点)
■著者経歴・・・栗城 史多(くりき のぶかず)
1982年生まれ。3年で6大陸の最高峰に単独無酸素登頂。その後、ヒマラヤ8000m峰3座の単独・無酸素登頂した。2009年エベレスト単独・無酸素登頂を目指したが、7950m地点で断念。
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