「「自分づくり」の法則―他人に"心"を支配させるな」加藤 諦三
2009/12/18公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(78点)
要約と感想レビュー
加藤さんの多くの著書は、自分の感情に素直になりましょう、ということを提案しています。他人の期待に合わせたり、社会の常識に自分を合わせることは義務ではないと教えてくれるのです。
・期待されたことを義務とカン違いするな(p110)
しかし、この世の中に人の期待を裏切らないために自分の気持ちを押しつぶしている人のいかに多いことか。
加藤さんは、世の中を観察してみると、他人に好かれようとする人は、他人に好かれるわけではないよと教えてくれるのです。
・相手に好かれたい、重要と思ってもらいたいと、自分をいつわってまで頑張るのだが、相手は喜ばない・・・逆に、自分が本当にやりたいことを思う存分やりながら、皆に好かれている人もいる。(p73)
世の中には、他人に好かれようとして不幸になり、そうした自分の基準を他人にも適用して批判する人が存在します。
大切なのは、そうした事実を知ることでしょう。
・私から見ると、親父は不幸なように見えた。そして、自分の不幸をいやすために、他人も不幸でなければならなかった。(p130)
最終的には、自分に正直ということになるのですが、これがまた難しい。
いかに自分を確立するか。自分を認めることができるか。その答えは、私は何か自分の好きなことに打ち込むしかないと考えています。
・この人生で大切なことは、自分に正直ということである。私は、自分の二十代を振り返って、自分に正直でなかったと思う。(p176)
非常にまじめな本で、とっつきにくいのですが、良いことを書いていますので、★3つとしました。
良い本をありがとうございます。
この本で私が共感した名言
・それにしても、なぜそんなにほめられたいのか?その点をはっきりさせることが大切である。(p3)
・いかにも豪放らしく振舞うのは、自意識過剰だからであろう。いかにも温かそうに振舞う人も、自意識過剰で心の冷たい人である場合が多い。・・・平凡なことが、実は大変難しいことでもある(p32)
・うつ病者の病前性格の特徴のひとつは、八方美人ということである。(p93)
・自己形成には、安心感が必要である。そして、自己のある人は、安心感を持っている。・・・従って、少々のことではカーッとなったり、絶望したりはしない(p123)
・嫌いなことは嫌い。楽しくないことは楽しくない。それを自分に一度はっきりさせることであろう。自分の汚い欲望―あいつをなぐりたい、あの人をけとばしたい、・・・をはっきりと自分の眼の前につきつけることである(p148)
・自分の欲求、つまり自分は何が好きか、本を読むのが好きか、外でとび回っているのが好きか・・・ということが大切なのである。自分の適性が運転席に座っている。それが自己実現した人間である(p155)
・自分の自分に対する期待をもった人は、ただ全力を尽くす・・・しかし、他人の期待の重圧にさらされている人は、当然、失敗を怖れる。力が出しきれない。(p164)
▼引用は、この本からです。
【私の評価】★★★☆☆(78点)
著者経歴
加藤諦三(かとう たいぞう)・・・心理学者。1938年生まれ。東京大学教養学部卒業。同大学院修士課程修了。現在、早稲田大学名誉教授、ハーバード大学ライシャワー研究所客員研究員。ラジオの「テレフォン人生相談」パーソナリティーを半世紀担当。
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