「カップヌードルをぶっつぶせ!」安藤 宏基
2009/12/17公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(92点)
要約と感想レビュー
日清の二代目経営者
日清の二代目経営者として「焼きそばUFO」「どん兵衛きつね」を開発した安藤さんの一冊です。テレビ「がっちりマンデー」に出演されていたのを思い出しました。強烈な創業者の下で、二代目として組織の力でどんどん新製品を開発してきた経緯がわかります。
社内競争を生む組織改革、奇人・変人を大切にする人事。やってみないとわからないという商品開発。非常に興味深く読めました。組織改革をしても、人間というものは、すぐにそれになじんでしまうものであるという。つまり、組織はできたとたんに陳腐化してしまうというのです。
・「変人」の発想がブレーク・スルーを可能にする。奇人変人比率は20%が理想。30%を超えると会社がつぶれる(p110)
ブランドマネジャーに全権を委任
本人は自分は普通の人と言っていますが、十分に変人だと思いました。特に、ブランドマネジャーに全権を委任し、社内競争しながら商品開発が進むようにしているところなどは、商品開発に賭ける強い意志を感じました。
創業者の安藤百福が朝から晩まで、自宅の裏庭に作った小屋がけの実験室にこもって研究していたのを見ていたのですから、二代目の危機意識は高いと感じました。創業者の安藤百福は、執念深い上に、せっかちで、眠っているときに思いついたアイデアを書き留める習慣があったので、それに対抗したいという思いもあるのでしょう。
・創業者は普通の人ではない。異能の人である。・・後継者は、私も含めて、だいたいが普通の人である(p15)
顧客のクレームは宝の山
クレームからチキンラーメン卵ポケットが生まれたなど、純粋に楽しく読める一冊でした。著者は「顧客のクレームは宝の山」と心がけているという。カップラーメン、されどカップラーメン。またUFOが食べたくなったので、★5つとしました。良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・瀬島さんが、「経営者は常に最悪のことを考えておくように。準備をしている人間はいざというときにあわてない。私はふだんからオフィスや車の中に縄ばしごを装備している」と危機管理の大切さを話された(p82)
・事業を始めるとき、金もうけをしようという気持ちはなかった。何か世の中を明るくする仕事はないかと、そればかり考えていた(p63)
▼引用は、この本からです。
中央公論新社
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【私の評価】★★★★★(92点)
目次
第1章 創業者は普通の人間ではない
第2章 創業者とうまく付き合う方法
第3章 ブランド・マネージャーの仁義なき闘い
第4章 勝つまでやめない新製品競争
第5章 ブランディング・コーポレーションへの道
第6章 「ラーメンロード」はローマに通ず
著者経歴
安藤 宏基(あんどう こうき)・・・1947年生まれ。1972年日清入社。1985年代表取締役社長。2008年日清食品ホールディングス代表取締役CEO。
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