「超・会社力―力強く利益を出し続けるために」長谷川 和廣
2009/12/15公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(90点)
要約と感想レビュー
あえて厳しく叱る
日本のカルロスゴーンと呼ばれる長谷川さんの一冊です。(ゴーンさんがフランスの長谷川さんなのかもしれませんが)外資系で要職を歴任していますので、各会社で実績を残してきたようです。
私が長谷川さんが本物であると感じたのは、あえて厳しく叱るということ。それは怒りとか感情という問題ではなく、その人の間違った仕事の習慣を変えるための手段なのです。あえで怒鳴ったり、説教するというのは、わかっていてもなかなかできるものではありません。
部下が同じようなミスを続けて犯したとしよう。・・・相手の感情に踏み込むためには、ときには大声で怒鳴ったり、冷たい言葉を浴びせかける必要もある。そこまでやって初めて間違ったビジネス習慣や考え方を取り除くことができる(p75)
実行させていく人間力が必要
経営の手法や、戦略立案については、ある程度の人ならできるでしょう。ただ、それを組織に浸透させ、やる気のない社員にそれを実行させていくだけの人間力があるのか、そこが問題だと思うのです。
だから著者は、会議では必ず出席者全員に発言させるという。また、週に一度は企画を提出させるというのです。このようなルールを強制することにより、組織の士気はガラリと高くなるというのです。
情熱をもって夢や目標を語り、そこに向かって社員が自発的に行動できるレベルまでに深くビジョンを浸透させることである(p35)
厳しさも必要
長谷川さんの厳しさは、現地で長谷川さんに指導を受けた人しか理解できないことだと思います。多分、この本を読んでもうまく伝わるのは一部ではないかとも感じました。しかし、それでも読む価値があります。
長谷川さんは本物だと思いましたので、本の評価としては★5つとしました。良い本をありがとうございます。
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この本で私が共感した名言
・じつは会議できめるべきことは、「誰が、いつ、何をするか」という三つの論点しかない。(p50)
・企画書は一枚で簡潔に・・・背景・経緯・・・何が課題なのか・・・どんな機会(可能性)があるか・・・目標・・・目標を達成するための戦略・アクションプラン・・・プランを実施したときの経済性・・・他の影響は?(p54)
・私は「おやっとノート」なるものを作成している。・・・「おや?」と思った事柄をノートにメモしておき、すき間時間を活用して分析するのである(p101)
・大地震が発生したらどうやって事業を継続するか。取引先が倒産したらどうやって連鎖倒産を防ぐか。製品の原材料の輸入がストップしたら何で代替するのか。こうした危険に対する考えをきちんと持っている会社がどれくらいあるだろうか。(p176)
▼引用は、この本からです。
かんき出版
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【私の評価】★★★★★(90点)
目次
第1章 企業の本当の実力は"会社力"でわかる
第2章 経営の力
第3章 組織の力
第4章 力強く利益を生み出すしくみ
第5章 生存の力
第6章 孫子の兵法の現代版「SWOT分析」で赤字が黒字になる
著者経歴
長谷川 和廣(はせがわ かずひろ)・・・1939年生まれ。十条キンバリー、1967年からは食品メーカーのゼネラルフーヅ、1971年は日用品メーカーのジョンソン、1983年はシリアル食品で知られるケロッグジャパン、1985年は医薬品メーカーのバイエルジャパンでマーケティング、プロダクトマネジメントを担当。1993年会社力研究所設立。その後、バリラックスジャパンで代表取締役などを歴任。2000年ニコン・エシロールの代表取締役。50億円もの赤字を抱えていた同社を1年で黒字化、2年で無借金経営とする。
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