「5%の人を動かせば仕事はうまくいく」長谷川和廣
2007/12/04公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(91点)
要約と感想レビュー
嫌われてもいい。正しいことを主張しよう
ニコン・エシロールなどで、数多くの企業再生を果たし、日本のカルロス・ゴーンと呼ばれる長谷川さんの一冊です。この本の特徴は、長谷川さんの豊富な経験からくる実際の職場でありそうなケースについて解決案が提示されていることです。業績不振の会社の再生に取り組んできた著者ですから、その仕事には厳しいものがあったはずです。
なぜなら、この本には、「嫌われてもいいから、正しいことを主張しよう」ということが書かれているからです。これは、どん底企業で手抜きをする部下を叱責する、失敗した部下を叱りつつ、褒める・・・そうしたことをやってきた著者の経験の厚みが感じられました。
叱るべき場面できちんと釘を刺せなければマネジメント職は勤まりません。・・・叱るのと同時に相手を褒めます。「最後には失敗してしまったが、この商談を途中まで進められたのはキミの功績だ。・・・(p156)
締め切りで叱る
たとえば、途中で手抜きに気がついても、あえてデッドライン(締め切り)を待ってから叱ってみることを推奨しています。言い訳できない状況になってから、責任を追及するのです。
やる気のない社員だらけの中で、いかに企業再生していくのか。やさしい語り口の中に、人を動かす、人の心を動かす試行錯誤の結晶のようなものを感じました。この本を読んでも、長谷川さんにはなれないでしょう。でも、自分がそのような立場になったときに読み返したい一冊だと思いました。★5つとします。
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この本で私が共感した名言
・優しく言いくるめるようにして仕事を任せるより、多少、意地悪な言い方をしてわざとストレスを与えたほうが、仕事をやり遂げたときの充実感が増すはずです。(p18)
・目的は毎日唱えてこそ共有できる(p53)
・まわりの人のスケジュールを把握しておくことは、人を動かすうえで忘れてはいけない大切な条件のひとつ。身近な仕事仲間の現在の状況や今後の予定を把握していないようでは、人は動かせないのです。(p99)
▼引用は、この本からです。
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【私の評価】★★★★★(91点)
目次
第1章 人間関係が苦手でも、人は簡単に動かせる
第2章 人の心を動かせば、仕事はラクになる
第3章 相手との信頼関係を、即座に築く心理マジック
第4章 ダメな部下も、動かし方次第でデキる部下に変わる
第5章 褒め方・叱り方を変えれば、人は必ずやる気を出す
第6章 融通のきかない上司を味方にすれば、仕事はうまくいく
第7章 組織を動かすマネジメント。頭の使い方の極意
第8章 売れない時代に売る、お客の心の動かし方
著者経歴
長谷川和廣(はせがわ かずひろ)・・・1939年生まれ。大学卒業後、十条キンバリー、ゼネラルフーズ、ジョンソン等で製品のマーケティング、製品マネジメントを担当。その後、ケロッグジャパン、バイエルジャパンンなど外資系企業で、要職を歴任。1993年会社力研究所を設立。企業戦略・再生のコンサルティングに従事。1995年バリラックスジャパンの代表取締役社長に就任。2000年ニコン・エシロールの設立にともない代表取締役副社長。2003年代表取締役社長兼CEOに就任。
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