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「過剰管理の処方箋 自然にみんながやる気!になる」金井 壽宏、岸良 裕司

2009/03/14公開 更新
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過剰管理の処方箋 自然にみんながやる気!になる


【私の評価】★★★★☆(80点)


要約と感想レビュー

 最近、特にお役所建築関係ですが、論理的には正しいように見えて、しかし、現実には合わない規制をかけて、業界が大混乱している事例があるようです。どうしてそうしたことがおこるのかといえば、お役所が現場を知らないというだけでなく、自分の責任を減らすことだけを考えていることが、原因ではないのでしょうか。この本では、そうした己かわいさから管理を強化してしまう人を、「心配過剰菌」に感染していると表現しています。


 この「心配過剰菌」を普通の「心配菌」に戻すコツは、「任せて任せず」です。まず、「任せる」にあたっては、仕事の目的と目標を明確にします。その仕事の大切さをちゃんと伝えて、「君にやってもらいたいんや」と任せるわけです。


・松下では・・・上司は部下にかませたからといって放任するのではなく、要望はちゃんと追及する。また、任せる前にはミッションをちゃんと伝え、仕事に込められた思いや志を部下に理解してもらって、使命感をもって取り組んでもらう。(p108)


 「任せず」のところでは、例外により管理します。つまり、本人の手に余ることが出てくれば、上司が出て行き、責任は上司が取るわけです。


 本書は、「仕事の管理」というわかったようなわからないようなものを掘り下げようという意欲的な一冊でした。しかし、結局は、松下幸之助の「任せて任せず」に行き当たるとは、経営とは難しいものだと再確認しました。本の評価としては、意欲策ということで★4つとしました。



この本で私が共感した名言

・松下幸之助の数々の名言の中に「任せて任せず」がある・・・私のような凡人には、「任せて任せず」のさじ加減がいっこうにわからず、実践するのも難しい。(p30)


・実際に「見える化」を実施している現場の多くでは、より窮屈になったという話をよく聞く。(p32)


・「例外による管理」という考え方を実践するには、「何をもって例外であるか?」という基準が必要である。(p149)


▼引用は、この本からです。
過剰管理の処方箋 自然にみんながやる気!になる
金井 壽宏 岸良 裕司
かんき出版
売り上げランキング: 930


【私の評価】★★★★☆(80点)


目次

1 過剰管理の生まれるところ
2 考察!ひととシステムが融合する「経営管理」
3 自然にみんながやる気になるマネジメントの方法
4 脱!過剰管理宣言
付録 岸良式プロジェクトの3段階におけるパワフルな質問集



著者経歴

 岸良裕司(きしら ゆうじ)・・・1959年生まれ。ゴールドラットジャパンCEO。全体最適のマネジメント理論TOC(Theory of Constraint:制約理論)をあらゆる産業界、行政改革で実践。活動成果の1つとして発表された「三方良しの公共事業改革」は、ゴールドラット博士の絶賛を浴び、2007年4月に国策として正式に採用された。成果の数々は国際的に高い評価を得て、活動の舞台を日本のみならず世界中に広げている。2008年4月、ゴールドラット博士に請われてゴールドラット・コンサルティング(現ゴールドラット)ディレクターに就任し、日本代表となる。東京大学MMRC(ものづくり経営研究センター)非常勤講師。


 金井 壽宏(かない としひろ)・・・1954年生まれ。78年京都大学卒業。80年神戸大学大学院修了。89年マサチューセッツ工科大学博士(経営学)92年神戸大学博士(経営学)


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