「日本人から奪われた国を愛する心」黄 文雄
2007/09/12公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(70点)
要約と感想レビュー
■台湾出身の著者ですが、主張は次の3点です。
1 非武装・平和主義は幻想である。
2 中国は日本を仮想敵国とし、反日教育、軍備を強化している。
3 非武装国家は侵略される。
最近ではだいぶ少なくなりましたが、
日本では日本国憲法を理由に軍隊(自衛隊)は
いらないと主張する組織・識者がいます。
また、専守防衛を理由に、
軍隊としての機能を制限しようという
考え方が浸透しています。
・憲法を盾に、「自衛」はもちろん「戦争放棄」や「軍備撤廃」といったことまで唱えるご仁も登場している。じつにおめでたい人々だとしか言いようがない。(p42)
■しかし、歴史を見れば、力のない国家が
力を持つ国家に蹂躙され属国とされる。
時には、国家が消滅することさえあるのです。
カルタゴはローマに負け、地球上から消滅しました。
アメリカ先住民は、西欧人に土地を奪われました。
チベットは、中国に侵略されました。
・チベットは非武装の仏教国で有名な国家だ。しかし、1951年に中国と平和協定(チベットの平和的解放のための17カ条)を結んだとたん、中国は「農奴解放」を口実にチベットへ人民解放軍を送り込みラサに進駐して、無理やりチベットを「開放」し、多くのチベット人を虐殺したのだった。(p132)
■日本は平和主義一辺倒ですが、
周辺国家には、日本を仮想敵国とし、
反日教育を行い、軍備を増強している
国家が存在していることを
忘れてはならないのでしょう。
個人ではなく国家として
10億人が日本を敵視し、
悪い民族と認識させようとしている
ことは恐ろしいことです。
・中国の青少年によるインターネット攻撃が非常に先鋭化してきている。大和民族を地球上から消滅させろ、核攻撃で日本を地球上から抹殺しろ、日本人には「倭族自治区」を与えてやるなどといった、罵詈雑言が飛び交っているのだ。(p73)
■著者の結論としては、敵意と核兵器を持つ敵国と
対等に話をするためには、イギリスのように
限定的な核兵器を持つしかないとの結論です。
マシンガンを持った暴力団には、
最低でも小銃を持ちたいと思うのと
同じ考え方でしょうか。
国家の存亡について考えさせられる
一冊でしたので、★3つとしました。
この本で私が共感した名言
・日中境界海域で春暁ガス田を開発・・・中国の原子力潜水艦が日本の排他的経済水域を侵犯・・・沖ノ島周辺の日本の排他的経済水域内に再び中国の海洋調査船が無断で侵入・・・これのどこが「各国の経済自主権を尊重」「平等で国際経済に参与」・・・という姿勢だというのだろうか。(p47)
・朱鎔基が総理になった当初、彼が部下たちへの訓辞でしばしば使った言葉からもうかがい知ることができる。それは「君たちがぐずぐずしていると、世界統一でEUに先を越されてしまうぞ」というものだった(p294)
・中国には中途半端な平和主義者がみられない。なぜなら、中国で平和を叫んだりすれば、それは敵の「同路人」(同調者、追随者)とみなされ、即刻逮捕・投獄されるからだ(p94)
▼引用は、この本からです。
【私の評価】★★★☆☆(70点)
著者経歴
黄 文雄(こう ぶんゆう)・・・1938年台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業。著書多数
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