「天晴れ!筑紫哲也NEWS23」中宮 崇
2007/09/11公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(78点)
要約と感想レビュー
TBS「NEWS23」の変更報道
アメリカが全世界で民主化を推進するためにNPO・市民団体を援助しているように、あらゆく国家・組織が、手足となる協力者を育成し、NPO・市民団体を援助しているはずです。特に日本では、スパイ防止法がありませんから、北朝鮮の工作員が日本で活動しているように、日本の国家をひっくり返そうとする組織でさえ、自由に行動することができます。
政党、宗教、マスコミ、法人、NPO,市民団体・・・ある意味、やりたいほうだいでしょう。それはスパイの獲得、活動家・過激派の育成から、政府組織、政党、マスコミへの浸透まで幅広いものと思われます。
この本では、TBSの報道番組「NEWS23」について、中国・北朝鮮・在日朝鮮人に関わる偏向報道を指摘しています。「NEWS23」の報道手法は、自らコメントするのではなく、識者や市民の声を放映させるというものがあります。一般市民と称して職業的活動家へのインタビューを報道するといった手法です。
・「プロ市民」とは、普通の市民を装っているがその実、過激派や職業的活動家である人々を指す言葉であり、NEWS23に登場する「市民団体」の多くが、こうした「プロ市民」である。(p34)
NEWS23の北朝鮮プロパガンダ報道
「NEWS23」では在日差別問題を特集してよく取り上げています。終戦の日特集が、いつの間にか在日問題になったり、阪神大震災特集も在日差別問題になってしまうのです。在日朝鮮人についても、差別問題はあるのでしょうし、それを利用して暴利をえている人もいるのでしょう。しかし、既得権益が複雑にからまったこうした問題について、中立的立場で報道することは難しいのかもしれません。
ただ、北朝鮮については日本への敵意をあらわにするテロ国家ですから、もし、マスコミが北朝鮮のプロパガンダに協力しているとすればそれは反逆罪にも値する行動で許されることではありません。背後で「NEWS23」を統制しているところについての分析が足りないと感じましたが、そこまで調べるのは公安の仕事でしょう。
・NEWS23は、「北朝鮮核実験の"可能性"」との字幕で、「軍縮平和研究所」パク・ヒョンジェ副所長による「北朝鮮の核実験は必要だ」との、「識者の見解」を流していたのだ。・・・実はこれ、北朝鮮外務省の外郭団体(p105)
阪神大震災特集も在日差別問題特集に大変身
やや2ちゃんねる的なとっぴな表現が多く、批判的な文体にがっかりして、興ざめする部分もありました。できればTBSが、「私は日韓併合を100%正当化するつもりはない」と発言したものを、全く逆の「私は日韓併合を100%正当化するつもりだ」と報道したことのような具体的な報道の事実を列挙したり、TBSの世論操作のテクニックを解説する形であれば面白かったと思います。
小泉訪朝以後約一年間、NEWS23では在日朝鮮人差別について、毎月取り上げていました。著者の言葉を借りれば、なんでもかんでも在日問題に早変わり。終戦の日特集がいつの間にか在日問題に置き換えられ、阪神大震災特集も在日差別問題特集に大変身して、TBSの編集の異常さを示していたという。
報道の現実を直視し、マスコミ報道に接するときの心構えを教えてくれる一冊ということで★3つとしました。
この本で私が共感した名言
・草野満代に「呆れた事実発覚です」(04年4月23日)と言わせて、麻生太郎、中川昭一、石破茂の三閣僚の「未納三兄弟」を激しく批判していた筑紫哲也自身もまた年金未納がばれてしまう(p18)
・筑紫哲也が編集委員を勤める雑誌「週刊金曜日」・・・一貫して北朝鮮による拉致被害者に対して冷淡であり、その後2002年11月15日号では、曽我ひとみの北朝鮮帰還を促す、北朝鮮当局のプロパガンダそのまま記事を掲載(p50)
・映画『セブン・イヤーズ・イン・チベット』・・・弾圧を続ける中国にとって都合の悪い作品であった・・・NEWS23は・・その冒頭の作品紹介のナレーションは、日本中の度肝を抜いた。「この映画は、中国による"自治権拡大"を描いた・・・」(p143)
▼引用は、この本からです。
文藝春秋
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【私の評価】★★★☆☆(78点)
目次
筑紫哲也と共に生きて
自分に甘く、他人に厳しく
「プロ市民」発見の特殊技能
人質家族、ご利用中
NEWS23に「拉致」はない!
肩入れ先はいまだに北朝鮮
どこまで日本国民をバカにすれば気が済むの?
将軍様の国は「普通の国」
犯罪者はいつも日本人?
中国様のためならば
「ブーイング」とくれば「重慶爆撃」
「きっかけ」はNEWS23
日米宇宙開発の危機?
すばらしき「被害者探索能力」
世論調査のつまみ食い
「スルー」で世界は思いのまま
ダン・ラザーよりもご立派な
「報道のTBS」にもかかわらず
著者経歴
中宮 崇(なかみや たかし)・・・1970年生まれ。自称「プロ2チャンネラー」。日本のフリーライター、ブロガー。
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