「滑稽―古代中国の異人(ストレンジャー)たち」大室 幹雄
2007/09/10公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★☆☆☆(63点)
■孔子や孟子は、古代中国のコンサルタントであり、
中国では「滑稽」と呼んだらしい。
滑稽は、異人である。
世の中を変えるのは、若者、馬鹿者、よそ者と
いいますが、そのとおりなのでしょう。
■現在のコンサルタントとの
共通点も面白い。
大室さん、
良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・言説家たち、孔子も孟子もまた淳于髠(じゅんうこん)も含めて、
彼らはそれぞれの言説を唯一の生活手段に権力者に
禄仕することによって生きていた。(p40)
・孔門の主要な弟子七十人中で子貢は蓄財の才に富んでいたが、
孔子に学んでのちに衛に仕え、曹と魯地方の交易商業に従事して
巨富を積み、駟馬に駕し騎馬の従者をひきつれ束帛(きぬじ)を贈物として
諸侯と交際し、至るところ諸侯は庭におり立ち対等の礼式で彼を歓迎した(p73)
・ヨーロッパ社会において、中世行商人の子孫たるユダヤ人が依然として
マージナルな異人として驚嘆すべき知的生産力を誇っているように、
古代中国の社会でも知識の主な担い手は交易商業に密着した
「東西南北の人」たちだったのである(p108)
・異人は、定住社会の成員にとって疑問の余地なきものにも
つねに疑問をいたくのだし、定住社会の文化の型に特有の
歴史が彼の個人史の統合的な部分とならず、定住者からみると
彼は「歴史をもたない人間」である。つまり履歴のわからぬ、
うさんくさいよそ者なのである(p150)
・「劉邦集団」が春秋期以来の名家たる秦帝国を征服して
漢帝国を建立した事実は、境界の外部から世界に向かって
しかけられた異人集団の攻撃が成功し、それが世界の中心を
略取したことを意味している(p181)
・王侯はありあまる財富と余暇と密室性を所有していた、
不足しているのはただ労働だけである。・・・
かくて彼は性の衝動において無限に自由であった(p226)
岩波書店
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【私の評価】★★☆☆☆(63点)
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