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「東大で教えた社会人学」草間 俊介、畑村 洋太郎

2007/07/25公開 更新
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東大で教えた社会人学 (文春文庫)


【私の評価】★★★★☆(80点)


要約と感想レビュー

私の経験では、学校では試験対策しか教えてくれません。社会で生きていく対策は教えてくれないのです。そういう意味で、この本の内容を東大で教えているとは素晴らしいことだと思います。サラリーマンとして生きるにしても、起業家として生きるにしても、基本的な基礎知識、ちょっとしたコツがあるものです。それを知っているのと、知らないのでは、結果の差は大きなものとなるでしょう。


まず、サラリーマンは会社の力で、お金を稼いでいる人たちです。それを自分の力と過信した人は、例外なく失敗しているという。サラリーマンから見える起業の世界と、実際に起業するということは、夢と現実との差がそのまま出てくるというのです。


私もサラリーマンとして、10年間はひたすら仕事だけをしていましたが、もう少し本を読んだり、人に会って学ぼうという意識があれば、多くの失敗は防げたのではないかと反省しています。目端の利くサラリーマンは自分の仕事をしながら、上司の動きから会社の力学を学び、「あそこは見習おう」「自分ならこうする」と仮想演習をしてマネジメント術を会得していくのだというのです。


・ここまで失敗したら撤退するという判断基準を起業する前に決めておく・・・自分で失敗の判断がつかないときは頼れるMentor・・・の判断を仰ぐ。Mentorを持つ能力のないような人間は起業を志すべきではないと個人的には思っている。(p179)


「お金の知識」も学校で教えてくれない重要な項目です。資本主義社会では金は絶大な力を持ち、金で買える幸せは多いのです。ただ、一定以上の金を持つことができると、お金の効果は急激に低下するという。これは体験してみないとわからないのかもしれません。


また、人生設計といえば、やはりお金について避けては通れません。現実問題として子供ができると大変なお金がかかるわけで、子供を国公立中心の大学まで行かせるだけで、教育費と養育費は約二千万円かかるのです。


組織での生き方、お金への考え方、社会の見方など一般教養に相応しい内容となっています。私も60歳を超えたら、こうした授業を教えることができるようになりたいものだと思いながら、★4つとしました。


この本で私が共感した名言

・親分には親分の器があり、子分には子分の器がある。練習して親分になれるものではない。(p190)


・リストラの恐怖に怯えている住宅破産予備軍のサラリーマンは、100万人規模でいるといわれている。(p211)


▼引用は、この本からです。
東大で教えた社会人学 (文春文庫)
草間 俊介 畑村 洋太郎
文藝春秋
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【私の評価】★★★★☆(80点)


目次

第1章 働くことの意味と就職
第2章 会社というもの
第3章 サラリーマンとして生きる
第4章 転職と起業
第5章 個人として生きる
第6章 人生の後半に備える



著者経歴

畑村洋太郎(はたむら ようたろう)・・・1941年東京生まれ。東京大学工学部機械工学科修士課程修了。東京大学大学院工学系研究科教授、工学院大学グローバルエンジニアリング学部特別専任教授を歴任。東京大学名誉教授。工学博士。専門は失敗学、創造的設計論、知能化加工学、ナノ・マイクロ加工学。2001年より畑村創造工学研究所を主宰。'02年にNPO法人「失敗学会」を、'07年に「危険学プロジェクト」を立ち上げる


草間 俊介(くさま しゅんすけ)・・・1948年。大学卒業後、阪和興業株式会社勤務を経て、1991年独立。エス・アイ・イー有限会社を設立し、取締役社長。2001年より税理士事務所を開業。


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