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【書評】「スリッパの法則―プロの投資家が明かす「伸びる会社・ダメな会社」の見分け方 」藤野英人

2004/11/30公開 更新
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スリッパの法則―プロの投資家が明かす「伸びる会社・ダメな会社」の見分け方 (PHP文庫)


【私の評価】★★★☆☆(75点)


要約と感想レビュー


投資家の視点で会社を見抜く

野村證券、JPモルガン、ゴールドマン・サックス系の資産運用会社を経て、2003年にレオス・キャピタルワークスを創業。「ひふみ投信」の運用で高パフォーマンスを上げ続けるカリスマ・ファンドマネジャーが、膨大な会社訪問の経験から導き出した「伸びる会社・ダメな会社」の見分け方を解説した一冊です。


まず、著者の投資への考え方に好感を持ちました。投資をマネーゲームとして捉えるのではなく、働く人への応援として位置づけるこの姿勢があるのです。この本は「法則」やノウハウではなく、企業と人への深い観察から生まれた洞察なのです。


「伸びる会社」と「ダメな会社」の法則

本書の各章には、著者が実際の企業訪問を通じて気づいた法則が並んでいます。なかでも印象的なのが、社長室に関する観察です。「社長室の豪華さとその会社の成長性は反比例する」という法則です。社長室に予算をかける経営者は、本業の競争力を高めるべき場所へのリソース配分を疎かにしている可能性があるわけです。


タイトルの「スリッパの法則」も同じ発想から来ており、会社を訪問したときに「スリッパに履き替える会社は伸びない」という法則です。こうした小さな観察が、企業の体質を見抜く手がかりになるという著者の視点は、面白いですね。


また、「優秀な経営者の多くはメモ魔である」という法則も、多くの読者が実感できるものではないでしょうか。会話の中で気づいたことを即座に記録する習慣は、経営者の情報を大切にするサインなのです。


社長室の豪華さとその会社の成長性は反比例する(p66)

「相談役のいる会社」への警告

著者は「相談役のいる会社は成長性が少ない」という法則も書いています。相談役は本来は名誉職のはずですが、実態として人事権を持ち続けていたり、経営の意思決定に口を挟んだりするケースが少なくないといいます。


そうした「公式な権限はないが影響力だけはある人物」が組織に存在すると、経営者の判断の自由度が下がるということなのでしょう。


なかなか納得の内容でした。私も投資するときには、この本を参考にしたいと思います。


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この本で私が共感した名言


・会社の人たちは額に汗して働いています。ですから、投資はそういった人を応援しようという行為なのです。(p23)


・自分でその会社のサービスを受けて 満足したら投資価値がある。(p175)



【私の評価】★★★☆☆(75点)


目次


序章 ファンドマネージャーだからわかる会社の真の姿
第1章 社長の性格や人格で決まる会社の運命
第2章 要注意!会社を滅ぼす危ない社長
第3章 ダメな会社、こんなところに落とし穴!
第4章 よい会社と悪い会社の分かれ道
第5章 常識にとらわれると判断を間違える



著者経歴


藤野 英人(ふじの ひでと)・・・投資家、ファンドマネージャー。1966年富山県生まれ。早稲田大学卒業後、野村證券、JPモルガン、ゴールドマン・サックス系の資産運用会社を経て、2003年にレオス・キャピタルワークスを創業。取締役・最高運用責任者(CIO)として、成長する日本株に投資する「ひふみ投信」を運用し、高パフォーマンスを上げ続けている。


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