「失敗の教訓―もう一つの「ゼロ戦」論」日下公人

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失敗の教訓―もう一つの「ゼロ戦」論

【私の評価】★★★★★(92点)


●読んでいて怖くなる本でした。


 日本軍の失敗を分析しているのですが、
 いかに「判断」が組織の運命を左右するかということが、
 いやなくらい書かれています。


●そして、最も恐ろしいのは、
 自分が、自分の会社が同じような過ちを
 犯しそうだと思うからです。


 恐ろしい。恐ろしい。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・(ゼロ戦は)完成したときから
 すぐに量産を始めていれば、
 開戦時には1000機以上を
 そろえることができたはずである・・・
 これは『日本の工業力の限界』などではなく、
 単に軍上層部の判断だけでできたことである。
 意思決定能力の欠如である。(p28)


<決定し実行する力ですね。スピードも大切です。自戒>


・アメリカの底力は第一に民間に飛行機マニアがいること、
 第二にその人たちが画期的なことをあえてプロに対しても
 提案する雰囲気があること、
 そして第三は軍がそれを採用することで、
 この三つは日本にはまったくと言ってよいほど
 欠けていた。(p32)


<アイデアを採用する実績と、雰囲気が必要ですね>


・一機に機銃が三種類 「幕の内弁当」が悲劇を招く


<3種類の弾が必要とは・・・。
 何を考えているのでしょう。
 もしかして、3種類の会社に発注するためだったりして。>


・アメリカは二交代どころか三交代制を採用していた。
 戦場から帰ってくる組、待機して次に乗り込む組、
 そして訓練をしている組という具合に、
 余裕ある戦闘体制を採用していた。・・・
 ところが、日本は「月月火水木金金」
 で不眠不休だから、疲れ果ててしまう。(p59)


<日本では残業で仕事をつめようとしますが、
 どうせなら2交代にしたほうが合理的だと思うのですが、>


・南雲中将は「ミッドウェーの責任をとって、
 私はここで死ぬのが仕事だ」
 と言って、サイパン島では看護婦さんと
 テニスばかりしていたと、
 生き残った看護婦さんが書いている。
 しかし高い月給を取っていたのだから、
 月給分くらいは米軍を
 手こずらせることを何か考えろと言いたい。
 死ねばすべては帳消しというのは日本の美風であるが、
 まだ生きているうちはプロとしての
 責任があるはずだ。
 美風はときに無責任と表裏一体である。(p91)


<死ねばすべては帳消し・・・・確かに無責任ですね。>


・日本が潜水艦を無駄にした原因のひとつに
 「等間隔配備主義」がある。
 要地の周辺に潜水艦を等間隔に配備していたので、
 一隻が見つかると、残りがどう並んでいるかを読まれてしまい、
 それでずいぶんやられてしまった。
 艦長たちは「もっと自由に動かせてくれ」と嘆願したが、
 参謀は上層部に対して「隙間なく並べました」と言いたかった。
 形式が第一で艦長たちの声を聞こうとしなかった。(p113)


<参謀の気持ちがわかるがゆえに、恐ろしいことですね>


・官僚制の致命的な弱点をどう制度的に補えばいいのかだが、
 そのひとつは「ツー・プラトーン・システム」だと思う。・・・
 二組の司令部を作っておいてお互いに
 批判的な目で相手のやり方を見て、
 新しい戦い方を工夫するのである。・・・
 アメリカは現にそういう形でやっていた。
 同じ機動部隊を、スプルーアンスとハルゼーが交代で
 指揮を取っている。(p122)


<日本に必要な仕組みかもしれません。
 しかし、実際にどう運用するんだろう・・・>


・志をなくした官僚が権力や権限を
 もてあそぶのは非常に困る。・・・
 わかりやすい話をすれば、大蔵省が予算を持ち、
 国有財産を持ち、それに加えて
 国税庁をもっているのがそれにあたる。
 ・・・新聞についても
 「東京国税局長が電話をかけると記事が変わっちゃう」
 という噂が前々から囁かれている。・・・
 権力がにらみをきかすことが、
 いかに国家・国民に不利益をもたらすかが、
 あの戦争のときの
 軍部のことを振り返ると、非常によく理解できる。
 合理的な思考や論議を封殺するからである。
 戦争なら負けるし、経済なら不景気になる。(p135)


<合理的な思考や議論をしたいですね>


失敗の教訓―もう一つの「ゼロ戦」論
日下 公人
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【私の評価】★★★★★(92点)



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