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「稲盛和夫のガキの自叙伝―私の履歴書」稲盛和夫

2002/12/03公開 更新
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稲盛和夫のガキの自叙伝―私の履歴書 (日経ビジネス人文庫)


【私の評価】★★★☆☆(75点)


今日の明言

心が呼ばないものが自分に近づいてくることはない。人生は心に描いた通りになる。


 いきなり麻雀の話で申し訳ありませんが、私、高校時代、麻雀にのめり込みました。本も読みましたし、実戦を積み、そして練習もしました。悪い友達もいて、悪いことをしたこともありました。


 麻雀を通してひとつ分かったことは、麻雀は運がかなりの部分を占めていますが、ほんのわずかな差が勝負を決めるということです。コントロールできるのは捨てる碑くらいに限られるのですが、長期的には強い人が勝つのです。人生も麻雀と似ています。ほとんどが運なのですが、微妙な差が人生を決めるようです。私は、その差は「何を心に思うのか」ということだと思います。


要約と感想レビュー

 考えたことが、行動になり、行動が自分を育て、周囲の環境を変え、人生を変えていきます。政治家の子供が政治家になる、力士の子が力士になることがよくありますが、子供の頃、親を見て心に思ったことが、その人の人生に大きな影響を与えたのではないでしょうか。


 日本を代表する創業者といえば、京セラを創立した稲盛和夫氏はその一人として十分な資格があるでしょう。その創業からの歴史を読んでみると、ひたすら熱心に仕事をしてきた稲盛氏の姿勢がわかるのです。


・二年余り、盆も正月もないような日々が続き、期限までに納入することができた。最後のトラックが走り去るのを見送りながらしみじみ思った。「人間、能力は無限だ」(p106)


 そうした、一所懸命さに加えて、アメーバ経営といわれる会社を小さな組織に分割し、責任と権限を与える手法も成功の原因の一つでしょう。アメーバ経営によって、小さな組織のリーダー個人の能力を最大限発揮させ、みんなが生きがいを持って働けるようにしたのです。


 自叙伝ということで、稲盛氏の人生を一冊の本にまとめているのですが、稲盛氏の波乱万丈の人生を凝縮したために、やや内容が抽象的、表面的な感覚を覚えました。それでも稲盛氏の熱意は伝わってきますので、★3つとしました。


この本で私が共感した名言

・マスコミに書き立てられて大変な目に遭っている、と話した。「それはしょうがありませんな、稲盛さん。苦労するのは生きている証拠です」。(西方擔雪老師)


・波乱万丈の人生どんな苦労や逆境に遭遇しようと、恨まず、嘆かず、腐らず、明るくポジディブに人生を受けとめ、素直に努力をすればよい。どんな運命に対しても、感謝の念を持ち、前向きに生きていくなら道は必ず開けていくものだ。(p261)


稲盛和夫のガキの自叙伝―私の履歴書 (日経ビジネス人文庫)
稲盛 和夫
日本経済新聞社
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【私の評価】★★★☆☆(75点)


目次

挫折越え夢追う
三時間泣き
ガキ大将の目覚め
弱気の虫が不運呼ぶ
焼け跡行商
罪滅ぼしの友情
おんぼろ会社
転職かなわず
対立、決断
血判の誓い



著者経歴

 稲盛 和夫(いなもり かずお)・・・1932年生まれ。鹿児島大学工学部卒業。1959年京都セラミックス(現京セラ)を設立。66年社長。1985年会長。1984年に第二電電(現KDDI)を設立。1987年セルラー電話会社を設立し、会長に就任。京セラ名誉会長。


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