「論語と算盤(下)」渋沢栄一

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論語と算盤(下) (人生活学篇(いつか読んでみたかった日本の名著シリーズ13))

【私の評価】★★★☆☆(78点)


■90年前に出版された
 渋沢栄一「論語と算盤」の
 ノーカット現代語訳(下巻)です。


 富国強兵を押しすすめる日本は、
 士農工商を廃止し、誰でも教育を
 受けることができるようにしました。


 現代と同じように
 若者の道徳心や、先生を敬う気持ちが
 失われつつあることを
 渋沢栄一が憂いているのは
 面白いですね。


・現代の教育は知識を重んじます・・
 多くの知識を詰め込む。けれども、
 精神の修養はほったらかしです。
 心を磨くことに力を注がないので、
 青年の人格形成は大いに
 危ういものがあります(p157)


■渋沢栄一の考える公的成功とは、
 単なる富や名声ではありませんでした。


 どれだけ世の中に貢献したのかが、
 もっとも大切だというのです。


 そして私的成功も、
 単なる富や名声ではありませんでした。


 いかに本気で取り組んだのか。
 自分が納得すれば、
 成功しても失敗しても良いではないか
 というのです。


・本当に人を評価しようとするなら・・
 「その人の精神がどれだけ世の中に尽くしたか」
 「どんな影響を世の中に与えたか」
 によってするべきなのです(p24)


■金がないと恥ずかしいが、
 道徳がないともっと恥ずかしい、
 ということでしょうか。


 その両立を目指す渋沢栄一に
 会うことができました。


 渋沢さん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・どんな些細なことだろうと、
 どんな細かい話だろうと、
 ほったらかしにしておいてはならない。
 また、自分の意思に反することなら、
 それが小さい問題だろうが大きい問題だろうが、
 キッパリとはねつけねばならない(p44)


・歴史家は「百年も経てば地図の色が塗り変わる
 (国家も移り変わる)」と言っていますが、
 私たちはそれと同時に、商工業の勢力が
 移り変わるのを見越しておかねばなりません(p108)


・中国では・・見識や人格において
 抜きん出た人が少ないというわけではないけれど、
 国民全体としてみた場合、個人主義と
 利己主義が強すぎることです。
 中国人は国家の一員という意識が乏しく、
 国を思う気持ちに欠けています(p115)


・政府当局にひとこと言っておきたいのは、
 「奨励は大いにやってほしいが、
 不自然で不相応な奨励となると
 結局は失敗する」ということです。
 親切なやり方もかえって結果として不親切となり、
 保護したつもりが干渉や束縛になったり・・(p123)


・女性も社会の一員であり、
 国家の一分子です。
 女性に対する昔ながらの
 差別意識を取り除き、
 女子も男子と同様に、
 国民としての才覚や知能を高める。
 そして共に助け合って働く・・
 これこそが、もっと女性教育に
 力を入れなければならないということの
 根本的な理由です(p163)


・全身全霊の努力を尽くしているなら、
 精神的な事業においての「失敗」は、
 決して「失敗」ではない(p194)


・結局のところ、人は真面目に努力し、
 自分で運命を切り開くことが大切です。
 もしそれで失敗したとしても、
 「自分の智力が足りなかったんだ」
 とあきらめればいい・・
 成功・失敗にかかわらず、
 天命に任せるのがいい(p213)


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【私の評価】★★★☆☆(78点)



■目次

・人格と修養
・ソロバンと権利
・実業と士道
・教育と情誼
・成敗と運命


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