「沈黙」遠藤 周作

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沈黙 (新潮文庫)

【私の評価】★★★★☆(83点)


■島原の内乱の鎮圧後、
 幕府はキリスト教が原因として
 ポルトガル人を追放します。


 潜伏している宣教師には、
 キリスト教を捨てるよう拷問し、
 拒否すれば処刑しました。


 中には、拷問に耐えられず
 キリスト教を捨てた
 宣教師もいたのです。


■本当に捨教した宣教師がいるのか、
 確認するために、日本に密かに潜入した
 ポルトガルの宣教師がいました。


 彼は、隠れキリシタンとともに
 幕府の捜索の手から逃れようとしますが、
 ついに密告により拘束されます。


 奉行は、キリスト教を捨てなければ、
 隠れキリシタンを一人づつ殺すと
 脅しました。


・基督(キリスト)がユダに売られたように、
 自分もキチジローに売られ、
 基督と同じように自分も今、
 地上の権力者から
 裁かれようとしている(p196)


■慈悲深い神を広めるために、
 日本に来たのに、そのために
 日本人のキリスト教徒が殺されていく。


 自分の信じる神は何もしてくれない。
 慈悲深い神はどこにいるのか。


 彼は神とは何なのか
 わからなくなってしまいました。


 そして、捨教した宣教師と出会い、
 彼もキリスト教を捨てました。


 神はいないのか


 いや、神は自分と一緒に
 苦しんでいたのだ。
 彼はそう考えるしかなかったのです。


・彼は人々のために死のうとして
 この国に来たのだが、事実は
 日本人の信徒たちが自分のために
 次々と死んでいった(p208)


■自らの考える正義を
 組織として広げようとする
 宗教の仕組み。


 そして、それを正当化し、
 組織として人を動かす
 仕組みを知りました。


 そして、
 神はいないのではないか。
 神がいるとすれば、
 人間の中にいるのではないか。
 そう考えました。


 遠藤さん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・「汝等、全世界に往きて、
 凡ての被造物に福音を宣べよ。
 信じ、洗せらるる人々は救われ、
 信ぜざる人は罪に定められん」(p30)


・万一神がいなかったならば・・・
 三カ年の歳月を要して
 この国にたどりついた宣教師たちは
 なんという滑稽な幻影を見つづけたのか(p105)


・この国では領主たちは宣教師に、
 今まで使っていた邸や寺々をそのまま
 教会として使うように命じたのです。
 ために百姓たちの中には、我々の宗教を
 仏教と同じ教えだと混同してくる者さえ
 かなりあったようです(p108)


・パライソ(天国)に行けば、ほんて永劫、
 安楽があると石田さまは常々、
 申されとりました。あそこじゃ、
 年貢のきびしいとり立てもなかとね(p128)


・正というものは、我々の考えでは、
 普遍なのです・・
 ポルトガルで正しい教えはまた、
 日本国にも正しいのでなければ
 正とは申せません(p171)


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■目次

第1章 年齢を重ねて学ぶことについて
第2章 健康と知恵について
第3章 余生を過ごす場所について
第4章 時間と財産について
第5章 読書法と英語力について
第6章 恋愛と人間関係について
第7章 余生を極める



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