「だから医者は薬を飲まない」和田 秀樹

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だから医者は薬を飲まない (SB新書)

【私の評価】★★★★★(94点)


■精神科医の和田さんが、
 医学界についてぶっちゃけた
 一冊です。


 まず薬については、
 日本人を対象とした長期間・大規模の
 薬の効果を調査したデータがないことを
 問題視しています。


 医者自身も本当にその薬が
 長期的視点で患者の寿命を伸ばし、
 生活レベルを良くするのか
 わからないのです。


 医者としては、
 症状に対する標準的な薬を
 処方するしかないのでしょう。


・日本で、特定の薬について大規模に
 長期フォローをしたデータは
 私も見たことがない
のです(p36)


■製薬会社の副作用の調査も
 「副作用がある」と書くと、
 詳細について書く必要があって
 忙しい医師は書かない場合もあり
 信用できないこと。


 副作用の調査シートを書くことにより
 謝礼をもらえるので調査が実質的な
 キャッシュバックになっていること。


 そもそも大学の教授制度は
 現場で腕を磨いていては教授になれないし、
 データに基づく学術調査をする意欲もないし、
 メタボのような変な制度を作るなど
 問題が多いとしています。


・薬の副作用をチェックすることが目的なら、
 どんな薬であってもケースシートの謝礼の
 金額は同じはずです。ところが実際は・・
 金額が違っていて・・
 「高い薬を使ってくれれば、
 キャッシュバックも上がりますよ」
 というわけです(p42)


■最後に抗がん剤については、
 その効果に疑問を投げかけています。


 がん治療で苦しみながら、
 少しでも長生きしたほうがいいのか。


 それとも、がん治療をせずに
 しばらく普通の生活を送りながら
 人生を閉じるのが良いのか。


 そもそもがん治療の大規模調査が
 ほとんど行われていないので、
 比較検討もできない。


 私も50代になりましたので、
 その時に備えた覚悟が必要ですね。


 和田さん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・たいていの医者は、できればあまり
 薬を飲みたくないと考えている・・
 その理由は、やはり薬は何らかの形で
 体に悪い
からです(p48)


・一般に血糖値が高いのは良くないと言われていますが、
 世界で最も権威のある医学雑誌に載せられた
 一万人規模の大規模調査で、血糖値を
 やや高めにコントロールした人のほうが
 そうでない人よりも死亡率が低かったということが
 話題になったことがあります(p37)


・血圧の薬というのはだいたい将来の病気の
 予防のために飲んでいるわけです。しかも、
 それが本当にどの程度予防になるかどうか
 実はわかっていない
のです・・
 血圧の薬を飲んだ場合と飲まない場合の
 長期間をフォローした大規模な比較データ
 というものを私は見たことがありません(p68)


・外国人と日本人ではさまざまな違いがあると
 考えられるわけですが、それでも日本人を
 対象とした学術調査をほとんどせず、
 安易に外国のデータを日本人に当てはめて
 偉そうな顔をしているのが日本の医学者、
 大学の教授たちなのです(p69)


・製薬会社から渡されるケースシートという
 アンケート用紙のようなものに副作用の有無を
 書くと、それだけでお金がもらえました・・
 「副作用があった」という欄に〇を付けると、
 次に裏面に詳細を書くようになっていて、
 それを書いていると一時間ぐらいかかってしまいます・・
 そういう"うまい"やり方によって、副作用が出る
 パーセンテージが操作されてしまう(p41)


・絶対にやめたほうがいいのは、
 ちゃんと説明してくれない医者です。
 それから、具合が悪くなったときに
 薬を替えてくれない医者。(p92)


・海外では・・大学病院で治療する場合は
 一般の病院に比べて治療費が安く設定されています。
 それは、大学病院が患者さんの病気を治すことを
 専門にしているのではなく、研修医に学ばせたり、
 病気の研究のために患者さんの体を利用している
 部分が大きいからです。・・手術の練習台や
 薬の実験台になる覚悟が必要なわけです(p220)


・薬の処方については、日本よりもアメリカのほうが
 慎重です。・・複数の薬を投与すればどういう
 副作用が出るかわからないので、薬を一つだけ出す
 単剤処方が多いのです。患者さんが複数の薬を
 服用してその副作用で具合が悪くなった場合、
 医者が訴えられる可能性があるからです(p151)


・抗がん剤の副作用で患者さんの体調が
 悪化しても、がんがわずかでも小さくなると、
 医者は「抗がん剤が効いている」と言います。
 医者の多くも、抗がん剤は
 ほとんど効果がないわりに、
 副作用だけはあるということが
 わかっているはずです(p112)


・効果のある抗がん剤の国際基準は死亡率が
 五%ぐらいあるという話をしましたが・・
 厚生労働省は、20人が服用すると
 そのうち一人が死ぬようなロシアンルーレット
 のような薬は認可しないのです(p194)


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■目次

序 章 患者が知らない〝薬大国ニッポン〟の裏事情
第一章 患者には薬を出しても、自分じゃ飲まない医者の実態
第二章 本当は総合的な診療ができないニッポンの医者たち
第三章 〝処方すれば儲かる〟はウソ! 「薬漬け」になる本当の理由
第四章 医学部と製薬会社が作った「正常値」神話の大罪
第五章 医者が教えない薬との上手な距離の置き方




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