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「お金・仕事・生活 知らないとこわい 定年後夫婦のリアル」大江 英樹、大江 加代

2023/05/08公開 更新
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「お金・仕事・生活 知らないとこわい 定年後夫婦のリアル」大江 英樹、大江 加代


【私の評価】★★★★★(91点)


要約と感想レビュー

60歳からは楽しむために働く

70歳と55歳のお二人は、野村證券を夫が定年後、夫婦で独立してお金関係の執筆、講演活動を行っているという。お二人が提案しているのは、50歳を迎えて自分が考えるような出世ができないのなら、そこで気持ちを切り替えることです。そして、60歳からは食べるために働くのではなく、楽しむために働くのです。


なぜなら、50歳で出世の可能性がないのなら次の自分の居場所を探すべきだし、仮に出世していたとしても、その居場所はせいぜい65歳でなくなってしまうものだからです。60歳以降、雇用延長があるかもしれませんが、その後も続く新しい生活の準備が必要なのです。そして、働くことは収入があるだけでなく、人との交わりがあるので適度な緊張感があるし、通勤や移動で適度な運動ができます。自分の居場所があることが精神的な安定をもたらしてくれるのです。


働くことは健康にいい(p56)

60歳以降は自分の居場所を確保する

60歳以降の夫婦で大切なのは相手の世界を尊重し、そこに立ち入りすぎないようにすることだという。定年前セミナーで「奥さんを大事にしなさい」とか「夫婦で共通の趣味を持とう」などと訳知り顔に講釈している人は、「今まで妻をかまってやれなかった」という上から目線の勘違いだとバッサリ切っています。


妻には自分のペースと居場所があり、定年後に家にゴロゴロしていて何もしない夫は邪魔なだけなのです。いわんや夫婦で共通の趣味を持とうなどと夫が自分の居場所に勝手に入ってくるのは問題外で、自分の興味のあることだけやっていればいいのです。せいぜい1回くらいはパートナーのお誘いは、お付き合いで出席してあげるくらいがちょうどよいようです。


そして家事については、話し合いながら夫婦で分担するのがよいでしょう。靴下をひっくり返す作業、靴の片づけ、トイレットペーパー・シャンプーの補充などやることはいくらでもあるのです。


誘われた場合、私は興味と義理人情から一度は付き合うようにしています。ただし、二度目の誘いに義理人情は持ち込みません(p23)

自分の終活、親の終活

元証券会社勤務だっただけあって、夫が先立った後の妻の年金対策として年金額を増やすためは、妻の年金の繰り下げ優先を推奨しています。また、資産運用はそれほど甘いものではなく証券会社に言われるままに投資することに警鐘を鳴らしています。例えば投資信託については、証券会社が勧める手数料の高いファンドは利益が出る可能性は低く、避けるべきでしょう。株式投資についても10年、20年の単位で見ると成功する確率が高いものの変動が大きく、大きく下がった時に我慢できるかどうかが問題なのです。


その他、自分の終活、親の終活など身につまされる内容で、参考になりました。最後をイメージして、遺産をどうるのか、墓をどうするのか、終末期医療はどうするか、葬儀はどうするか、金融機関の口座やパスワードなど準備しておくべきことは多いのです。タイトルどおりリアルな内容でした。大江さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・経済的なことを考えると、共働きは最強の戦略(p45)


・共稼ぎの世帯は片働きの世帯の4倍・・夫婦それぞれが家庭以外に「居場所」を持っている(p78)


・医療保険もまったく必要ないので入っていません。年を経るにしたがって、公的医療保険の自己負担は軽くなるのです(p230)


▼引用は、この本からです
「お金・仕事・生活 知らないとこわい 定年後夫婦のリアル」大江 英樹、大江 加代
大江 英樹、大江 加代 、日本実業出版社


【私の評価】★★★★★(91点)


目次

第1章 生活
第2章 仕事
第3章 お金
第4章 健康
第5章 コミュニケーション
第6章 終活
第7章 夫婦放談―英樹&加代かく語りき



著者経歴

大江 英樹(おおえ ひでき)・・・経済コラムニスト。1952年大阪府生まれ。野村証券で定年まで勤務した後に独立。以後は経済コラムニストとして、主に「資産運用」「年金」「行動経済学」、そして「シニア層のライフプラン」などをテーマに執筆、講演、メディアへの出演などの活動を続けている。現在、NHKラジオ深夜便「大人の教養講座」のレギュラー解説、ラジオNIKKEI「マーケットプレス」水曜午後キャスター。


大江 加代(おおえ・かよ)・・・確定拠出年金アナリスト。1967年愛知県生まれ。野村証券で一貫してサラリーマンの資産形成業務に携わり、2012年に独立。確定拠出年金の分野においては我が国の草分け的存在で、厚生労働省社会保障審議会委員、及び内閣官房「資産所得倍増分科会」構成員を務める。


定年後関連書籍

「お金・仕事・生活 知らないとこわい 定年後夫婦のリアル」大江 英樹、大江 加代
「定年前後の生き方の悩みを解消するならこの1冊!定年ひとり起業 生き方編」大杉 潤
「定年後 50歳からの生き方、終わり方」楠木 新
「ライフシフト」リンダ グラットン、アンドリュー スコット


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