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「ライフシフト」リンダ グラットン、アンドリュー スコット

2017/06/05公開 更新
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LIFE SHIFT(ライフ・シフト)


【私の評価】★★★☆☆(70点)


要約と感想レビュー

人生100年時代に、どう生きるのか考える一冊です。著者のオススメは、80歳になった自分を想像してみることです。80歳のあなたが、どのような状況を望んでいるでしょうか。そして、人生100年を前提として自分の人生のシナリオを考えます。


そしてさらに、今、自分がもっている有形の資産と無形の資産を書き出すのです。無形の資産とは、例えば自分の評判。自分のウェブページ。SNSの投稿。制作したユーチューブのチャンネルなどはすべて、アイデアと能力を宣伝する無形資産となりうるのです。


そこまできて、やっと今の自分の課題がはっきりしてきます。やはり人生100年時代には、より多くのお金を稼がないと伸びた老後を平穏に暮らせません。また、時間を共にするパートナー、友人の存在も充実した人生には必要でしょう。


・貧しい人たちは、「不快で残酷で長い」人生を強いられる危険がある。スキルと知識が不足している人は、長い引退生活を支えられず、キャリアの途中で移行を成し遂げることも難しい。長寿化の恩恵に浴することができず、むしろ損失をこうむるリスクが切実だ(p390)


この本では毎年快適な引退後の生活を送るために、最終所得の50%の生活資金を確保できる貯蓄を推奨しています。しかし今の老齢年金では、それだけ生活資金を確保できる人はごく一部でしょう。だから、引退後も稼ぐことを推奨しているのです。


そして引退後も働くということは、自分が必要とされているということであり、自尊心を高めてくれるのです。また長い人生の中で、なにかに打ち込むことで、自分を高めていくことができます。その時間が引退後にはあるのです。


この本では、4つのシナリオを提示しています。
3・0シナリオとは、従来の学校、会社、そして65歳引退の人生です。
3・5シナリオとは、引退後に、少ない報酬の仕事を行う。
4・0シナリオは、60歳以降、自分の専門性で稼ぐ人生です。
5・0シナリオは、起業家、大企業上級幹部、コンサルタントなど多様な職で活躍する人生です。
やはり、目指すべきは、4か5でしょう。そのためには、知識とスキルの向上が必須となるのです。


・100年ライフでは、家族と友人、スキルと知識、健康と活力などの無形の資産を充実させることの重要性が高まり、そのための投資が必要になる(p312)


人生100年時代には、今よりもお金・健康・友人が大事だと思いました。そんなこと分かっているよ!という人は多いと思います。問題は、どういった準備を今するのかということなのでしょう。グラットンさん、スコットさん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・著者たちはロンドン・ビジネススクールのMBAプログラムの授業で100年ライフについて話すとき、学生たちに自分の人生のシナリオを考えさせる(p23)


・80歳のときに一生の友人を「購入」することはできない。というより、友情とは、何歳であっても金で買えるものではないのだ(p123)


・ポートフォリオ・ワーカー・・週に数日は有給の職に就き、1日は地域コミュニティの活動に従事し、1日は趣味に打ち込み、1日は慈善団体の理事会に出席する(p252)


LIFE SHIFT(ライフ・シフト)
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リンダ グラットン アンドリュー スコット
東洋経済新報社
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【私の評価】★★★☆☆(70点)


目次

1 章 生 ――長寿という贈り物
2 章 資金計画――長く働く時代
3 章 仕事――雇用環境はどう変わる?
4 章 見えない「資産」――お金に換算できないもの
5 章 シナリオ――「将来可能な自己」を思い描く
6 章 ステージ――人生の新しい構成要素
7 章 マネー――長い人生に必要なお金をまかなう
8 章 時間――レクリエーションからリ・クリエーションへ
9 章 人間関係――私生活の変容
最終章 変革への課題



著者経歴

リンダ グラットン(リンダ グラットン)・・・ロンドン・ビジネススクール教授。人材論、組織論の世界的権威。2年に1度発表される世界で最も権威ある経営思想家ランキング「Thinkers50」では2003年以降、毎回ランキング入りを果たしている。2013年のランキングでは、12位にランクインした。組織のイノベーションを促進する「Hot Spots Movement」の創始者であり、85を超える企業と500人のエグゼクティブが参加する「働き方の未来コンソーシアム」を率いる。


アンドリュー スコット(アンドリュー スコット)・・・ロンドン・ビジネススクール教授。ロンドン・ビジネススクール経済学教授、前副学長。オックスフォード大学を構成するオール・ソウルズカレッジのフェローであり、かつ欧州の主要な研究機関であるCEPRのフェローも務める。2005年より、モーリシャス大統領の経済アドバイザー。財政政策、債務マネジメント、金融政策、資産市場とリスクシェアリング、開放経済、動学モデルなど、マクロ経済に主要な関心を持つ。


定年後関連書籍

「お金・仕事・生活 知らないとこわい 定年後夫婦のリアル」大江 英樹、大江 加代
「定年前後の生き方の悩みを解消するならこの1冊!定年ひとり起業 生き方編」大杉 潤
「定年後 50歳からの生き方、終わり方」楠木 新
「ライフシフト」リンダ グラットン、アンドリュー スコット


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