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「本当に使える経営戦略・使えない経営戦略」山田 修

2013/04/27公開 更新
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本当に使える経営戦略・使えない経営戦略


【私の評価】★★★★★(92点)


要約と感想レビュー

 企業再生請負人である著者が、「経営戦略の本を読んでも戦略は出てこない!」と教えてくれる一冊です。6社の社長を歴任し、企業を再生してきた著者だから戦略の本質がわかるのです。戦略本を読むと優良企業の例が出てきます。フレームワークの説明も出てきます。では、自分の会社では何をするのか?と考えても、普通の人なら何も出てこないでしょう。


 結局は、会社の課題を考える。そして、その課題に対して、どういった打ち手を実行していくのか考える。その打ち手は適切なのか。実行可能な組織があるのか。その打ち手の実行を社員が協力してくれるようお願いできるのか、考えなくてはならないのです。


・ヘンリー・ミンツバーグ「分析からは何も生まれない」フレームワークから経営戦略は出てこない(p168)


 経営戦略における「目標」は、経営者の価値観の表明であり、「課題」と「解決策」は全社・全社員の羅針盤です。したがって、個別の施策が「目標」「課題」「解決策」と論理的に繋がっていることが必要です。


 例えば、ユニクロでは、SPA(製造小売り)方式の本格的な導入という戦略に沿って、中国での大量委託製造し、東レ株式会社と新素材開発で提携し、顧客が自分で選んで会計できるセルフ方式とし、「使った後でも返品自由」などの、顧客との信頼感醸成を図っているのです。


・課題の発見」で大切だったのは「気づき」でした。自分の会社の経営で、一体何が重要な問題となっているのか・・・解決策の策定」で重要な資質となるのは「思いつき」です・・・「有効な解決策」というのは、思いついた中からしか絞り込めません(p96)


 課題の発見と対策の優先順位のつけかたは、その人の「センス」でしょう。最後は「センス」かよ、ということです。政治にしろ、経営にしろ、その選択肢は無限にあり、それは芸術のようなものなのでしょう。山田さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・良いコンセプトを設定できるかどうかは優れてその人の「センス」によるところが大きい(p55)


・せっかく戦略を立てるのなら、大きなコトを考えろ、掲げろ・・・そんなに力を入れ、関係者を巻き込んで発表するパッケージが、結局は、「我々は今のやり方を継続していくぞ!」という呼びかけに辿り着いてしまうのでは、何だか間抜けな話のように聞こえませんか。(p115)


・会社の業績を大きく伸ばそう、変えようとするならば、GEのように何か根本的な施策を考えたり、持ってくる必要がある、ということでしょう・・・「大きなことを考えろ、大きな手を打て」。その必要性と効用をGEの発展史は教えてくれます(p203)


本当に使える経営戦略・使えない経営戦略
本当に使える経営戦略・使えない経営戦略
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山田 修
ぱる出版
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【私の評価】★★★★★(92点)


目次

第1章 「使える戦略」で読むユニクロの成功とコダックの倒産
第2章 伸びる会社は「戦略」で勝負している
第3章 「戦略カード」と「シナリオ・ライティング」で自社戦略を立てる
第4章 社員に火を付ける戦略とは
第5章 使えない、大企業御用達の舶来セオリー
第6章 SWOTは分析ツール、戦略ではない
第7章 神様、マイケル・ポーターがやって来た
第8章 学者は新学説を、コンサルタントは請求書を求めて



著者経歴

 山田修(やまだ おさむ)・・・1949年生まれ。(有)MBA経営代表取締役。外資4社、日本企業2社で社長を歴任、「企業再生経営者」と評された。学習院大学卒、修士(国文科)。米国サンダーバード国際経営大学院MBA、元准教授及び元日本同窓会長。法政大学博士後期課程(経営学)。国際戦略経営研究学会員。経営者に戦略立案を指導する「経営者ブートキャンプ」を主宰。講演や、企業コンサルティング・幹部研修などで人気


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